浦和レッズが来季の戦力として、セレッソ大阪の日本代表FW杉本健勇(26)の獲得を目指していることが28日、分かった。既に水面下で交渉がスタートしている。得点力向上のため、森保ジャパンにも招集されている現役日本代表ストライカーをターゲットにした。今季はJ1で6位にとどまっており、来季は序盤からのダッシュを決めるため、積極的な補強に乗り出す。

浦和が現役日本代表の獲得へ動きだした。来季の補強の目玉として、C大阪の杉本を最上位にリストアップ。関係者によると「既に獲得に向けて水面下で交渉を進めている」という。今後は近日中に正式オファーを出し、金銭面など細部を詰めていく模様だ。

杉本はMF柴崎やFW宇佐美らと同じ92年生まれの「プラチナ世代」。C大阪の下部組織で育ち、各年代別代表として世代をけん引してきた。19歳で12年ロンドン五輪メンバーに選出。注目もされたが、Jリーグではなかなか結果を残せず「未完の大器」と呼ばれていた。

その得点力が開花したのは昨季。34試合22得点と大ブレークし、昨年のルヴァン杯ではクラブの初タイトル獲得に貢献し、MVPを受賞した。その活躍を認められ、念願の日本代表入りも実現。森保ジャパンでも11月の2試合に出場した。

187センチの長身が特長で、今季も主力として定着。負傷に悩まされながら、29試合に出場し、5得点をあげている。足もとの技術にたけ、DFの背後を突くスピードが武器だ。浦和は今季、チーム得点王の興梠が15得点で、後を追うのは終盤に調子を上げてきた武藤の7得点。前線の李忠成やズラタンらが1得点にとどまるなど結果を残せずにいた。得点源の固定を解消するべく、現役日本代表FWに白羽の矢を立てた。

浦和はこれまでも主力級の獲得に乗り出す積極的な補強を行ってきた。選手層の厚さはJリーグ屈指で、毎年のようにタイトル争いを繰り広げている。16年にルヴァン杯優勝、昨季は10年ぶりにACL制覇、アジア王者に輝いた。今季も天皇杯で4強入りしており、タイトル獲得とACL出場の可能性は残している。競争が激化し、得点力が向上すれば、06年以来13年ぶりのリーグ制覇も見えてくる。

杉本自身、昨冬にスペイン1部ヘタフェからオファーを受け熟考するなど、海外志向も強い。新天地への挑戦か、本人の決断にも注目が集まる。

 

◆杉本健勇(すぎもと・けんゆう)1992年(平4)11月18日、大阪府生まれ。C大阪ユースから10年にトップチーム。高校2年時にクラブユース選手権で優勝し、大会MVP選出。11年7月にJリーグ初出場。東京V、川崎Fなどを経て、16年にC大阪復帰。U-15世代から代表経験があり、昨夏W杯アジア最終予選でA代表初選出。国際Aマッチ8試合1得点。187センチ、79キロ。血液型A。

 

◆浦和の近年の主な日本人移籍 10年に広島から司令塔となるMF柏木を獲得した。12年には広島からドイツ1部ケルンに渡っていたDF槙野や、レスターMF阿部を補強。13年にはライバル鹿島のエースだった興梠、広島DF森脇、柏DF那須の獲得に成功。14年には広島で2連覇を達成し、日本代表として活躍していたGK西川、サウサンプトンから東京に期限付き移籍だったFW李も獲得した。翌15年には仙台からFW武藤が加入、武藤はその後の活躍で日本代表へと上り詰めた。16年には当時リオデジャネイロ五輪代表主将を務め、現在は日本代表で主力ボランチに成長したMF遠藤を湘南から補強した。