大腸がんのため11月23日に63歳で死去したJ1清水エスパルスの副社長兼ゼネラルマネジャー(GM)、久米一正氏の通夜が3日、東京・増上寺で営まれ、約1000人が訪れた。Jリーグ創設期に事務局長や運営部長を務め、その後は柏レイソル、清水で強化担当。08年からは名古屋グランパスでGMや社長を務め、17年に古巣の清水GMに就任。今季は副社長を兼任し、15~17年にはJリーグ理事も務めた。

サッカーに情熱を傾け続けた人生だった。久米氏は生前「亡くなった時は盛大に、サッカーボールのモニュメントを(利き足の)左足で蹴っているものにしてほしい」との意向を伝えていたという。この日の祭壇は明るい色の花々で、サッカーボールとその軌道があしらわれていた。

Jリーグの村井チェアマンは「GMの重要性をいつも教えてくれました。リーグを発展させるにはGMを(各クラブに1人)しっかり作れるかどうかにかかってるんだとずっとおっしゃっていて、一緒にやりたいねってところがありました。彼が持っている秘蔵のマニュアルとか人材育成プランとかをいただいていて、それを大事にしていきたい。久米さんとともに始まったJリーグですので、思いを引き継いで、発展させていくことで報いたいと思います」と誓った。葬儀・告別式は今日4日午前11時から、同所で営まれる。

◆久米一正(くめ・かずまさ)1955年(昭30)7月26日、静岡・浜松市生まれ。浜名から中大に進み78年に日立製作所入社。左利きのMFで日本リーグ132試合出場11得点。85年に引退。91年に日本協会に出向しJリーグ創設に尽力。94~02年に柏、03~07年に清水、08~15年に名古屋で強化責任者を務める。名古屋では社長も任された。昨年12月に古巣清水に復帰していた。

◆主な参列者 川淵三郎、小倉純二、大仁邦弥、村井満、清水ヨンソン、FC東京長谷川健太、福島ユナイテッドFC田坂和昭、東京ヴェルディ竹本一彦、柏下平隆弘、早野宏史、吉田達磨、森岡隆三、沢登正朗、兵働昭弘、藤本淳吾、石川直宏、楢崎正剛、玉田圭司、川又堅碁、大前元紀(敬称略)