富士市立(静岡)が新たな歴史を刻んだ。中京学院大中京(岐阜)との参入決定戦で4-0快勝。2点リードで折り返した後半11分にFW松沢海斗(3年)がダメ押しの3点目を決めた。参入を懸けた短期決戦で自慢の攻撃力を発揮し、2試合で計9得点。創部29年目で初のプリンスリーグ昇格を果たした。

最後まで攻め抜いた。エース松沢のチーム3点目で勝負を決めても、攻撃の手を緩めなかった。後半42分に途中出場のFW進藤克樹(2年)がゴール前のこぼれ球を左足で押し込み、追加点。来季プリンスリーグを戦う2年生のゴールで快勝劇を締めくくった。2戦3得点の松沢は「本当に良かったです」。試合後は選手全員で記念撮影し、勝利の余韻に浸った。

同校は2011年に校名変更。前身の吉原商から指揮を執る杉山秀幸監督(45)も感慨深げだった。「夢の夢だったことが目標になり、ようやく現実になりました」。同校での指導歴は今年で22年目。一時は部員12人と存続危機の時代もあったが、ぶれない指導方針で選手を鍛え、悲願を達成した。

来季は、東部勢では11年の飛龍と加藤学園暁秀以来のプリンスリーグ東海参戦となる。新チームは19日に始動し、22日からは神奈川などに遠征する予定だ。FW進藤は「強いチームと試合ができるのはすごく楽しみ。先輩たちが上げてくれたプリンスで思い切りチャレンジします」と言った。引退試合で置き土産を残した3年生の思いも胸に秘め、次なるステージで大暴れする。【神谷亮磨】