J3ギラヴァンツ北九州の新監督就任会見が21日、本拠地ミクスタで行われ、“昇格請負人”こと小林伸二新監督(58)が、クラブが目指す最短3年でのJ2昇格へ覚悟を示した。

選手獲得など編成トップも担うスポーツダイレクター(SD)も兼務する大役で、今季わずか6勝で最下位に沈んだチームを「勝者のメンタリティを植えつけ、チームをよみがえらせたい」と気合を込めた。

02年大分トリニータのJ2優勝を皮切りに、モンテディオ山形、徳島ヴォルティス、清水エスパルスの計4クラブをJ1昇格に導いた実績がある。17年限りで清水監督を退いた後は、Jリーグのテレビ解説を中心に高校生の指導などをこなし、外部から日本サッカーを見守ってきた。

そんな中、選手が「戦術が行き詰まり、チームとして戻る所がない」と嘆くまで低迷していた北九州から再建を託された。「クラブの土台づくりができれば」と、地元九州での新たな挑戦を決めた。

さっそくフル回転中だ。選手編成はもちろん、「チーム強化には良い指導者が必要」との考えから、J1の指導実績を持つヘッドコーチやフィジカルコーチを招聘(しょうへい)予定で、既に交渉にあたるなど多忙を極める。

目指すサッカーは「攻守に切り替えの速いサッカー」だという。特に今季J3ワースト22得点の攻撃力に触れ「ボールは回せるが裏への動きだしがないので、攻撃のバリエーションを落とし込みたい。得点は(今季の)1・5倍、失点は平均1点以内に抑えたい」と言い「(得点と失点の)アベレージを上げ、できるだけ上の順位につけたい」と意気込んだ。