アルビレックス新潟FW田中達也(36)が高知キャンプ中の練習試合で“今季初ゴール”を決めた。10日、J3カターレ富山戦の1本目にスタメン出場し、18分にコーナーキックからつないだボールをヘディングで決めた。今年でプロ生活19年目のベテランは開幕に向けて順調にステップを踏んでいる。試合は1-2で敗れた。

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狙い澄ましたヘディングで田中がゴールネットを揺らした。「味方が前でつぶれてくれた。フリーだったので決めるだけだった」。会心の1本は1月16日から始まった高知キャンプで決めた自身の初得点だ。

隙を逃さず突いた。18分、MF加藤大(27)の右コーナーキックを相手がクリア。こぼれ球を加藤が拾ってクロス。ファーの空いたスペースに入り込んだ田中が、ぴったりのタイミングで頭で押し込んだ。

落ち着いていた。この日は4-1-4-1のシステムで臨んだ。新潟が伝統的にベースにしている4-4-2からの変化で全体的にワンボランチの両脇のスペースを気にしがちだった。そんな中、2列目の中央右に位置した田中はきっちりと隙間を埋め、攻撃への切り替えにも対応。ワントップの下のシャドーは01年から12年まで在籍していた浦和レッズでも経験がある。「ツボを分かっている」。片渕浩一郎監督(43)も安心して見ていた。

「得点はうれしい。でも、負けは負けなので」。勝てなかった分、喜びは半減も「新しいオプションだし、チームで修正して成熟させていく」。自身の1点が、公式戦の勝利につながる手応えがあった。【斎藤慎一郎】

◆GK田口潤人(22)が初めて1本目で出場。45分間を無失点で乗り切った。「まず0に抑えられて良かった」。守備陣に落ち着いて的確な指示を出した。終盤、相手に攻め込まれる場面が続いても慌てずに対応。「この場面では誰をどう動かそうかなど頭を使って指示できるようになってきた」。J1横浜F・マリノスから新潟に移籍し2年目。収穫の多さを実感していた。