J1ベガルタ仙台はサガン鳥栖を3-1で下し、2年ぶり4強入りへ向け好スタートを切った。

1トップに入ったFWジャーメイン良(23)が2得点を挙げる活躍で、公式戦今季初勝利に貢献。前半終了間際に、右足で右サイドからの折り返しを流し込み今季初ゴールを挙げると、後半には自ら倒され奪ったPKを決め、粘る相手を突き放した。

自身のミスを瞬時に帳消しにする自作自演のゴールで、チームに流れを呼び込んだ。前半ロスタイム、MF道渕諒(24)がマイナス気味に頭で浮かしたボールを見逃さなかった。ゴール中央にフリーで構えると右足を一閃(いっせん)。ゴールネットが揺れるのを確認すると控えめにガッツポーズ。ほっとした表情のイレブンから祝福されると照れ笑いで応えてみせた。

ゴールの直前に、MF石原崇兆(26)が奪ったPKをまさかの失敗。ポストにはじかれ転がったボールも枠外に外し、思わず頭を抱えた。「PKを外してしまって気持ち的に難しかったですが、すぐに切り替えて決められたのでよかった。いい勢いを持ってリーグ戦につなげたい」。後半には自ら奪ったPKをど真ん中に決め、九州まで駆けつけたサポーターを喜ばせた。

前節アウェー横浜戦からスタートした中2日~3日となる5連戦の過密日程を、ターンオーバーで乗り切る構えだ。高卒ルーキーのDF照山颯人、MF田中渉(ともに18)を遠征に帯同させるなど、リーグ戦からメンバー総シャッフルで臨んだ一戦。新加入の吉尾海夏(20)も期待通りの活躍で大器の片りんを見せつけた。渡辺晋監督(45)は「ようやくサポーターに歓喜を届けることができうれしく思っています。PKうんぬんはありましたが思い切って我々のトライしてきたことをぶつけてくれた。ボールを動かして相手を動かしてチャンスを作れた。リーグ戦への勢いにつなげて連戦をチーム一丸となって戦っていきたい」と話した。【下田雄一】