清水エスパルスが篠田新体制で始動した。13日、静岡市内でJ3藤枝MYFCと練習試合を実施。篠田善之監督代行(47)が指揮を執った。

試合中には主将のMF竹内涼(28)をベンチに呼び寄せ、熱心に個別指導。具体的な方向性は明言しなかったものの、4-2-3-1の新布陣を試すなど「篠田色」が垣間見えた。

退任したヤン・ヨンソン前監督(58)のバトンを受け、「この状況をどう打開するか、スタッフ、選手と力を合わせてやっていくしかない」と所信表明した。チームは2勝2分け7敗でJ2自動降格圏内の17位。苦しい状況を理解している「新指揮官」の表情には決意がにじみ出ていた。

過去の経験も生かす。08年はJ2アビスパ福岡でシーズン途中から監督に就任し、7勝8分け3敗の成績を残した。16年途中にもJ1FC東京を指揮し、8勝2分け2敗でチーム再建に尽力。初日のミーティングでは「全員が責任感を持たなければいけない」と強調し、前向きな言葉をかけたという。

現状は監督代行の立場だが、クラブは近日中にも監督就任を正式発表する見込みで、18日のアウェー大分トリニータ戦が初陣となる。篠田氏は「改善しなければいけないことは分かっている。前向きにやっていきたい」と力を込めた。【神谷亮磨】