静岡県高校サッカー界の歴史を築いてきた伝統校対決は、清水桜が丘が制した。延長戦の末、静岡学園を3-2で振り切り、4年ぶり2度目の優勝を果たした。2-2の延長前半1分、MF古長谷千博(3年)が決勝点を挙げた。2点差を追い付かれながらも、持ち味の勝負強さを発揮した。7月26日開幕の全国総体(沖縄・金武町ほか)でも頂点を狙う。
雨が降るエコパスタジアムに、清水桜が丘イレブンの笑顔が広がった。終盤の相手の猛攻に耐え抜き、終了の笛。名門校同士の意地がぶつかり合った熱戦を制した。
同点の延長前半1分、古長谷がDF加藤俊介(2年)のロングパスに反応。最終ラインの裏へ抜け出し、冷静に右足でゴールへ流し込んで決勝点を決めた。「ワンプレーで決めてやろうと思っていました」。得点後はベンチへ向かい、控えを含めた選手全員で喜びを分かち合った。決勝の舞台で前半のPKを含む、2得点の活躍を見せた。
逆境をはね返した。前半を2-0で折り返したが、後半は、準決勝までの4試合23得点の相手攻撃陣に対して、防戦一方。同29分に同点を許した。だが、選手たちはハーフタイムに片瀬晴城(はるき)監督(55)から「このまま(試合が)終わるわけがない。同点はある」と言われていた。ゴール前を固める守備で、粘り強くチャンスを待った。古長谷も「想定はしていた。延長でも、集中を切らさずに戦おうと思っていました」。自らの得点で食い下がる相手を振り切った。
先制点を決めたFW松永颯太主将(3年)は、左太もも裏の負傷の影響で今大会初先発。「大事な時にケガで迷惑をかけた。勝利に貢献しようと思っていました」と、ストライカーの役割を果たした。さらに前線からの守備でも体を張り続けた。戦前、指揮官が「主将が頑張る姿を見れば、他の選手も付いてくる」と話したとおり、プレーでチームをけん引した。
清水桜が丘は、2013年(平25)に清水商と庵原が統合して開校。清水商時代には、県高校総体で14度の優勝を記録した。そのうち、平成時代には県内最多の10度の優勝を飾り、「夏の清商」の異名を取った。伝統校の魂は統合後も後輩たちに受け継がれ、令和最初の県王者となった。
だが、既に選手たちは次を見据えている。4年前の全国総体は2回戦敗退。松永は「自分たちのプレーを出す。全国優勝を目指します」と、言い切った。開幕まで残り約2カ月。さらにチームを成熟させる。【古地真隆】
◆松永颯太(まつなが・そうた)2001年(平13)9月4日、焼津市生まれ。小3から清水クラブでサッカーを始め、中学時代はアスルクラロ沼津U-15に所属。家族は両親、兄、妹。血液型O。右利き。
◆古長谷千博(こながや・ちひろ)2001年(平13)10月25日、沼津市生まれ。小1からアスルクラロ沼津でプレーし、中学時代は清水ジュニアユースに在籍。家族は両親。血液型A。右利き。



