ジュビロ磐田が7試合ぶりの白星を挙げ、最下位を脱出した。アウェー松本山雅FC戦の後半40分、FWロドリゲス(24)が今季5得点目を決め、1-0で勝利。鈴木秀人監督(44)は、リーグ戦2試合目で初勝利を飾った。清水はアウェーG大阪戦で0-1敗退。FWドウグラス(31)は、8試合連続ゴールのJリーグタイ記録を逃した。

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FWロドリゲスが、待ちに待った歓喜の瞬間をもたらした。0-0の後半40分。MF上原力也(22)のスルーパスに抜け出すと、迷わずゴールに向かった。182センチ、81キロ。強靱(きょうじん)な肉体で相手DFを振り切り、右足で逆サイドネットへ決めた。終盤の豪快な一撃で勝負あり。その10分後、7戦ぶりの勝利を告げる笛が鳴った。

チーム最多の今季5点目で、鈴木新監督にも初勝利を届けた助っ人は「DF陣が体を張って守ってくれてたからこそ、このゴールが生まれた」と、チーム一丸での勝利を強調した。試合後はアウェー側スタンド前まで行き、敵地・松本まで駆けつけたサポーターとも喜びを分かち合った。

6月30日。前半戦最後の一戦となった川崎F戦に敗れ、チームは最下位に転落した。低迷の責任を取り、名波浩前監督(46)が辞任した。MF小川大貴(27)は「名波さんのジュビロに対する思いを考えたら、言葉にできないぐらいの決断。全員で、状況を変えていかなければいけないという思いだった」。愛するクラブを離れることを自ら決めた指揮官の決断を、無駄にはできなかった。

新体制スタートから2試合目でつかんだ勝利で、最下位を脱出。順位は16位に上がった。MF山田大記(30)は「連勝すれば潮目も変わる。まだ、ここから」と、次節ホーム浦和戦へ視線を向けた。依然として状況は苦しい。ただ、暗く長いトンネルの出口に向けて1歩、前に進んだ。【前田和哉】