アルビレックス新潟はFC琉球に4-0で勝ち、3試合ぶりの勝利を決めた。1-0で迎えた前半44分にPKを決めたMFフランシス(29)は後半3分には頭で、同ロスタイム46分には左足でゴールを決めてハットトリック達成した。次節のアウェー町田戦は中3日の31日に開かれる。8月4日のホーム徳島戦までの連戦の口火を切るホーム戦を、白星発進した。

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芝生にひざまずいてフランシスは両手を高々と上げた。後半ロスタイム46分。DF堀米悠斗(24)のパスをゴール前でフリーになったフランシスが左足でシュートをたたき込んだ。前半44分のPKから始まった加点劇はロスタイム弾でハットトリック達成になった。前々回のホーム大宮戦以来、3試合ぶりの得点は3ゴール。Jデビューになった4月7日、アウェー岡山戦で途中出場して2得点した鮮烈デビューより、鮮やかな大量点だ。「3得点は、スタジアムの雰囲気を作ってくれた皆さんのおかげ」と殊勲者はサポーターに感謝した。

吉永一明監督(51)は「ホームだし、前回負けているし、勝ちにいく」と話していた。そんな指揮官の口約束を選手がピッチで果たした。前節終了時点で13位の新潟、14位の琉球。下位同士の対戦だったが、得点能力に限れば上位同士の激突だった。総得点は、ともに33点で4位タイだ。5月25日の前回アウェー戦では1-2の敗戦。今季、同一カード連敗すれば順位は逆転される。だからこそ、勝利は必須条件だった。その条件はフランシスが複数得点で満たした。

新潟はここ2試合、1分け1敗と勝ち星から見放されていた。琉球も2敗とほぼ同じ状況だった。「(琉球は)チャンスを作っている。入る、入らない、というところで勝敗が逆になってもおかしくない」と吉永監督は、相手の得点力を警戒していたが、相手の攻撃を封じて取り越し苦労に終わらせた。この日27日のホーム戦を皮切りに8月4日のホーム徳島戦まで9日間で3試合を消化する過酷な夏の3連戦。その「初戦」を、フランシスがハットトリック達成で新潟に勢いをつけた。【涌井幹雄】