天皇杯最多出場記録をもつ鹿島アントラーズGK曽ケ端準(40)が、40歳初戦でほえた。

球際の激しい栃木に苦戦し、ファウルでプレーが途切れるたびに「やるよ、やるよ!」と最後尾からチームを鼓舞した。流れを引き寄せたのは、酸いも甘いも知り尽くしたチーム最年長だ。

プロ生活22年目。特別なルーティーンやこだわりは持たない。ずっと続けているのは、毎日の温冷交代浴だけ。海外遠征中も欠かさず、長いときは読書をしながら1時間ほど入る。時間をかけて単純作業を繰り返し、コンディションを整える。02年W杯日韓大会16強など輝かしい経歴を誇るMF小笠原、MF本山、DF中田ら「黄金世代」の同期と比較して常に注目される立場ではないながら、22年間J1の舞台で戦い続けてきた、曽ケ端の生きざまそのものだ。

序盤こそ苦戦したが次第に主導権を握り、前半のうちに2点差をつけた。勝利のためにやることをやるだけ。チームに活を入れた守護神は、涼しい顔でゴールマウスを守り抜いた。