J2アルビレックス新潟は24日の第29節、ツエーゲン金沢とホームのデンカビッグスワンスタジアムで対戦する。

FW渡辺新太(24)が”恩返し”のゴールを狙う。この日の練習前、ジェルソンGKコーチ(47)が家庭の事情により退任、ブラジルに帰国したことが明らかになった。渡辺新は自主トレのシュート練習でアドバイスを受けるなど支えられていた。チームは現在2連敗。連敗を止め、ジェルソン氏の期待に応えるゴールを決める。

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金沢戦のテーマははっきりした。「ジェルソンにアドバイスされた成果を出したい」。渡辺新が望む成果は勝利に直結するゴールだ。第26節徳島戦以来、自身3試合ぶりのゴールを目指す意味は大きい。

この日の練習前にジェルソン氏の退任を知らされた。すでに練習に姿はなく、別れのあいさつを交わすこともできなかった。「驚いた」。そして「さびしい」。前節岡山戦(17日)の翌日、ジェルソン氏とマンツーマンでシュート練習に取り組んだ。開幕前のキャンプ時から行ってきた2人での特訓。「シュートを打つと言ったら、付き合ってくれた」。結果的にこれが最後になった。

ジェルソン氏はGKの立場から渡辺新のシュートを指導した。GKがキャッチしにくい位置に打つことを言い続けられた。シュート時の姿勢のチェックも細かく受けた。支えになった存在。喪失感は隠せない。

それでもやらなければならない。今節と次節アウェー柏戦(31日)はMF高木善朗(26)が警告の累積で出場停止。渡辺新には自然と攻撃の要として期待がかかる。左サイドハーフでのスタメンが続いていたが、高木が抜けたトップ下での出場の可能性もある。どの状況にも対応する準備はしてきた。「ゴールを決めて、ジェルソンにいい知らせを届けないと」。恩義も力に変え、3試合ぶりの勝ち点3を引き寄せる。【斎藤慎一郎】