13位からの浮上を狙うJ2アルビレックス新潟は、ホーム水戸戦を翌日に控えた27日、クラブハウス隣接ピッチで練習した。2タッチ以下のミニゲームでトレーニングを仕上げた。

対戦する水戸は第33節終了時点で4位。総失点24は、リーグ最少の強敵だ。固く閉まったゴールマウスを、J2得点ランク2位タイの18得点しているFWレオナルド(22)がこじ開ける。

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FWレオナルドが右足で放ったシュートは、勢いよくゴールネットに飛び込んでいった。2タッチ以下にプレーを制限して、選手全員で繰り広げたミニゲーム。21日の前節アウェー甲府戦で1得点した好調さを、キープしていた。「多くのチャンスがあるとは限らない。きたチャンスは決めたい」。もくろむのは、リーグ最少失点を誇る水戸を相手に連続ゴール。そして勝利。若きFWの真骨頂は、最終局面の落ち着きと正確性だ。

前節を終えて18得点は、FWイ・ヨンジェ(28=岡山)と並んでJ2ランク2位タイ。首位のFW呉屋大翔(25=長崎)を2点差で追っている。目標はカテゴリーの異なるJ3とJ2の2季連続得点王だ。J3鳥取在籍の昨季は24得点で手にしているだけに、新潟でもタイトル獲得を視野に入れる。「J3とJ2で2年連続得点王になった選手はいないと思うから、取りたい」。水戸戦へ、ゴール量産宣言も飛び出した。「キャリアの中で毎年やっているハットトリックが今季、まだないから決めたい」。

もっとも、決してエゴイスティックなFWではない。「第1優先はチームの勝利」と優等生だ。守備意識にも目覚め、甲府戦は今季自己最長の走行距離9・6キロ。前線からの守備機会が多くなった証だ。走行距離の数値、映像を示してレオナルドに「走り」を要求してきた吉永一明監督(51)は「練習でも走る量は増えている」と言う。体力を消耗しても、集中を保ちながら得点できるかが、22歳の若きFWに提示された課題。「90分間プレッシャーをかけて、90分間、全力で戦えば勝利はついてくる」とレオナルドは進化した姿をホームで見せる。【涌井幹雄】