ジュビロ磐田の2度目のJ2降格が決まった。FW大久保の決勝点で名古屋を退けたが、湘南の勝利で17位以下が確定。突きつけられた厳しい現実に静まりかえる本拠地ヤマハで、選手はスタンドに何度も頭を下げた。降格は必然だった。度重なる監督交代など今季はクラブの方針や戦術が定まらず、グランドには不満があふれた。気づいた時には、決起集会さえも開けないほど状態は悪化していた。最下位からの残留。奇跡を起こす一体感はなかった。

小野社長は大ブーイングを浴び謝罪。同時に「必ず1年でJ1に復帰します」と宣言した。だが、会見で来季への決意を語ったフベロ監督の続投は明言せず。選手構成も含め「J2での戦いを見据えて、もう1度考える必要がある」と話すだけだった。サポーターの前で誓った言葉とは裏腹に、ビジョンも不透明のままJ1の舞台から陥落した。【前田和哉】