鹿屋体育大(九州第2代表)と対戦した新潟医療福祉大(北信越第1代表)が大逆転で1回戦を突破、ベスト16入りを果たした。前半20分までに3失点を許す苦しい展開だったが、後半20分に3-3の同点。後半41分、J2アルビレックス新潟入りが内定しているFW矢村健主将(4年)が冷静にゴールを決め4-3と試合をひっくり返し、劇的な勝利を収めた。矢村は「この逆転勝利がチームに勢いをもたらすはず。次も絶対に勝つ」と力強く宣言した。

試合を決めたのはエースのFW矢村だった。3-3の同点で迎えた後半41分、右クロスにオフサイドぎりぎりで飛び出し、胸トラップ。飛び出してきた鹿屋体育大GK平田の動きを冷静に見て、ゴール右隅に右足で流し込んだ。「プロ(J2新潟)の練習に参加させてもらっている経験があの大事な場面で生きた。自信をもってシュートできた」と振り返った。

チームは前半12、15、17分と立て続けに3失点。FW小森飛絢(1年)が前半30分に1点を返すにとどまった。

ハーフタイム、矢村は1人になる時間を設け「自分にできることは何か」と考え、あらためて集中した。

後半、矢村は最前線からボールを追いかけ回し、チームに勢いをもたらす。すると後半13分、MF塚田祐介(2年)が直接FKを決め、続く20分にはMFシマブク・カズヨシ(2年)の左足ゴールでついに同点に追いつき、試合を振り出しに戻した。

矢村は「うちのチームはどの選手が出場しても得点できる。4年が何もしないで終わることはできないと思っていた。最後の得点はおいしいところを持っていけた」と笑顔を見せた。

観戦に駆けつけた矢村の母恵子さんは「前半はイライラした。この勢いであと3回勝ってほしい」とホッとした表情だった。

昨年は2回戦で、優勝した法大に敗れた。矢村は「この逆転勝利がチームに勢いをもたらすはず。次も絶対に勝つ」と力強く宣言した。次は14日に立正大(関東第3代表)と対戦する。目標のベスト8入りを果たすため、矢村がチームを引っ張る。【小林忠】