カズが静岡学園V戦士への“ご褒美プラン”を掲げた。13年ぶりにJ1で戦う横浜FCのFWカズ(三浦知良、52)が14日、自主トレーニング先のグアムから帰国。

成田空港で取材に応じ、母校の静岡学園が全国高校サッカー選手権決勝で青森山田相手に2点差から3点を奪い、優勝したことについて「初戦を見て激励に行って、静岡にタイトルを持ち帰ってほしい、とお願いしたのでね。それを果たしてくれたのですごいなと。誇らしく思います。感動しました」と称えた。

試合にも釘付けになった。前日の午後のトレーニングでプールでダウンをしているときは0-2で負けており、そこで一度「気持ちを盛り上げよう」と静学の校歌を独唱。グアムから埼玉スタジアムへ応援エールを送った。部屋に戻ると1-2。そのあとは、スマートホンで速報を追い続けた。「追いついたときも、おお、と。延長に行くかなと思っていたら、終盤に追加点が入って。ちょっと興奮しましたね。終わってから校歌を歌いました」。準決勝進出の際も歌い、今大会は3度、校歌を歌った。トレーナーから「8カ月しか在籍していなかったのに、よく(歌詞を)覚えてますね」と突っ込まれたという。

5年前の14年度に静岡学園が8強に進出したときは「グアム旅行」のプレゼントプランを挙げていた。今回のご褒美に、カズは「何か、考えなくてはいけないと。皆さんが期待しているグアム旅行も含めて。静学の関係者と話し合って、何か協力できることがあったら」とビッグなお年玉を予告した。静岡学園のOB会の現在の幹事は、川崎フロンターレのMF大島僚太。カズは既に、大島と連絡を取ったことを明かし「できたらね、皆さんのご希望通り(グアム旅行)にいきたいですけど。各選手の進路もあって難しいかもしれない。これから何か考えて」とご褒美を約束した。

埼玉スタジアムは5万6000人の観客が詰めかけた。カズは「高校生の大会で、あれだけのお客さんを集めるのはサッカーの潜在的なポテンシャルだと思います。世界を見てもアンダーの大会であれだけスタジアムを埋められる国はそんなにない。それは誇れることだし、そこでああいう試合ができるポテンシャルの高さを見せてくれた。ああいう試合をされたら、プロの僕らも、もっと頑張らないと」と刺激を口にした。

カズは当初、13日に帰国予定だったが、フィリピンで火山噴火の影響があり帰国便が欠航。1日遅れての帰国となった。突然のスケジュール変更にも「無事返って来られました。今日はストレッチのプールの調整で帰ってきました」と明かした。チームは15日から和歌山キャンプがスタート。カズは初日から参加予定だったが、1日帰国がずれたことで、16日から合流する予定だ。