改革は道半ば-。北海道コンサドーレ札幌は9日、沖縄・中城村で公式戦開幕前最後の練習試合(45分×4)で川崎フロンターレと対戦し、5-11で敗れた。

16日ルヴァン杯サガン鳥栖戦から始まるシーズンに向けた大事な一戦も、ミハイロ・ペトロビッチ監督(62)が推し進める1対1の競り合いを軸にした守備が崩壊した。対外試合6試合で26失点。11日から始まる第3次熊本キャンプでは、浮き彫りになった課題の修正が求められる。

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今季キャンプの総決算として挑んだ開幕最後の実戦で、川崎Fに大敗を喫した。両チーム主力を擁して戦った1、2本目の90分間で7失点。試合開始から終了までペトロビッチ監督の顔がゆるむことはなかった。「今日の試合を経て言えることは、まだまだだということだ」。今季着手した守備改革の途上とはいえ、簡単に失点を重ねる姿に首をひねった。

相手にボールを長く持たれ、前で奪おうにも、奪えず、自陣で防戦一方。敵陣深くでボールを奪うハイプレスからの攻撃につなげる理想の展開に持ち込めない。1本目の終盤に2連続失点を許すと、2本目は開始34分から終了までに3連続失点。主将の守備的MF宮沢裕樹(30)は「相手の質の高さにやられてしまった。自分たちもイージーなミスが多かった」。洗練された組み立てを誇る相手攻撃に、ディフェンスを崩されて失点を重ねた。

発展途上の段階。指揮官は「2-7で負けた試合で何を言っても…」と前置きなしがら「良い時間帯はたくさんあった」とも表現した。1月のタイキャンプから続く実戦では、これで6戦26失点。変則形式の試合も含めるとはいえ、1試合平均1・44でリーグ11位の失点に象徴される昨季の弱点といえる守備の強化は数字の面では進んでいない。それでもこの試合2本目までの2得点はハイプレスから得点につなげた。「前線からの守備から得点できた。あとは90分間通して」と宮沢。大敗にも、やるべき形は見えた。

ショックを引きずる時間はない。16日には今季公式戦開幕となるルヴァン杯鳥栖戦が控える。12日からは熊本に場所を移しシーズンへ向けたキャンプが始まる。ぺトロビッチ監督は「こういう状況の中では公式戦を迎え入れる準備ができていないと言っていい。1、2週間の間に修正していかないといけない」。この敗戦が意味のあるものとなるように。熊本の地で、チームを立て直す。【浅水友輝】