J2ジュビロ磐田は18日、磐田市内でJ3アスルクラロ沼津と練習試合(45分×4本)を行い、4-2で勝利した。

現状のベスト布陣で臨んだ3本目に、MF上原力也(23)が直接FKで得点。今季の練習試合で2本目のFK弾をマークし、リーグ再開後のキッカーに名乗りを上げた。沼津はプロ28年目のMF伊東輝悦(45)が1、2本目に出場し、健在ぶりをアピールした。

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磐田MF上原のキックが、攻撃の「新オプション」になりつつある。3本目の16分、ゴール斜め右45度の位置で自らFKを獲得すると、落ち着いてボールをセット。左利きのDF宮崎智彦(33)がスルーし、一呼吸置いて右足をコンパクトに振った。「GKが2歩ぐらい動いたのが見えた」。イメージ通りの弾道ではなかったものの、GKの逆を突き、左サイドネットへ。試合後は「うまく駆け引きできた」とうなずいた。

今季は開幕前の練習試合セレッソ大阪戦でも、直接FKを決めた。「ほぼ毎日練習でやっていたから」と自主トレの成果を口にする。昨季まで在籍していた元日本代表MF中村俊輔(41、横浜FC)や、名波浩前監督(47)のFK練習を間近で見てきたことも大きい。名手2人が蹴るキックの質を参考にし、居残りで反復練習。頭の中のイメージと体の感覚を擦り合わせてきた。

「練習試合だし、まだ2本なので」と謙遜するが、チームの武器になりそうだ。ゴール前を固めてくるチームも少なくないJ2では、セットプレーが鍵を握る。「やれる時にしっかり練習しておきたい」。リーグ再開を見据え、さらに精度を上げていく。【神谷亮磨】

○…新加入のブラジル人FWルリーニャ(29)が、ゴールを量産している。この日は控え組主体の4本目から出場。同30分に左クロスをヘディングで合わせて追加点を奪うと、同43分には右足ボレーでダメ押しゴールを挙げた。チーム合流はキャンプ後の2月上旬と出遅れたが、ここまでの練習試合では4戦連発を含む8戦8得点。「ゴールは素直にうれしい」と自信を深めている。