Jリーグで新型コロナウイルスによる感染がさらに拡大した。

初めての感染者となった元日本代表DF酒井高徳(29)が所属するヴィッセル神戸は1日、新たにトップチーム関係者1人の感染を発表。セレッソ大阪はGK永石拓海(24)、J2ザスパクサツ群馬はDF船津徹也(33)の感染を明らかにした。J1は5月9日の再開を目指すが、激しい接触プレーが生じる競技だけに、感染拡大への懸念は消えない。

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神戸が恐れていた新たな感染者が判明した。3月30日に確認された酒井に続き、今度はトップチームの関係者1人の感染を発表。前日31日午前8時にチームドクターの判断で、兵庫県内の病院でPCR検査を受け、同日午後9時に陽性と判定された。発熱やせき、味覚、嗅覚障がいの症状はなかったが、酒井と濃厚接触があったという。

クラブは「保健所と相談している最中で、本人のこともあり、それ以上は言えない」とし、名前や役職などは明かしていない。神戸は戦力を1、2軍に分けず、今季は少数精鋭の27選手で編成。選手、指導者、スタッフを含めれば、50人近い数がトップチームの関係者になる。

ある関係者は「団体競技の特性から複数のトップチーム関係者が、何かしら、酒井選手との接触があった」と言い、一定の覚悟はしていたという。通常の紅白戦でさえ激しく体がぶつかり、練習場でも接触は多い。3月25日に発熱した酒井の2週間前までの行動履歴を保健所に提出しており、さらに感染者が出る可能性は否定できない。

選手らの健康を優先すれば7日の練習再開は不可能に近い。MFイニエスタ主将を中心に優勝候補の一角だった神戸が、危機に立たされている。【横田和幸】