J3カターレ富山へ22年からの入団が内定している新潟医療福祉大DF松本雄真(3年=福島・尚志高)が、Jリーグ公式戦デビューと北信越大学リーグ無敗での4連覇を誓った。松本は10日に、大学に所属しながらJリーグに出場できる特別指定選手として日本サッカー協会から発表された。新型コロナウイルスの終息が見えない状況が続くが大学サッカー部の練習再開後から、Jデビューに向けスタートダッシュを切る。(活動自粛前の3月17日に取材)

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J3富山でのJデビューと、大学サッカーでの活躍を松本が誓った。「早い段階でプロ入りを決めることでやるべきことに集中できる。大学生活はあと2年しかない。すべてにおいて、もっとレベルを上げないと」。現在は新型コロナウイルス感染予防のため、新潟医療福祉大の活動は自粛中だが練習再開と同時にスタートダッシュを切る。

守備的ポジションを複数こなす万能型DF松本の最大の武器は豊富な運動量を生かしたカバー能力と、正確なパス技術。19年の全日本大学サッカー選手権ではボランチで攻守に存在感を示し、新潟医療福祉大の全国ベスト8入りに大きく貢献した。

J3富山が松本の獲得を発表したのは今年の1月22日。大学2年の時点での獲得は異例の早さ。松本は「まさか自分が。ビックリした」と当時を振り返る。きっかけは昨年、新潟医療福祉大が提携するJ2新潟と富山との練習試合に、富山のメンバーとして出場したことだった。その試合での動きが富山の目にとまり、ラブコールが届いた。富山は公式ホームページで「基本技術が高く、さまざまなポジションをこなせるユーティリティープレーヤー」と背番号25に決まった松本を高く評価している。

「まだまだ、やるべきことがたくさんある」。松本は残りの大学生活2年間で当たり負けしない体作りと、プレーの質の向上を課題に挙げた。この冬は入団先の富山の高知キャンプにも参加し、経験も積んだ。「優秀な選手は激しく体をぶつけ合った中でもパスやトラップが乱れない。毎日の練習から意識して取り組む」と意気込んでいる。

新潟医療福祉大サッカー部佐熊裕和監督(56)は「今年のチームの鍵を握る選手。富山もいい選手に目を付けたと思う」と言う。松本は「プロになるため、ここ(新潟医療福祉大)に来た。佐熊監督との出会いも大きい。来て良かった」。感謝はプレーで恩返しするつもりだ。

松本は富山の特別指定選手として、中断明け後からJ3の公式戦出場が可能になった。また大学は北信越大学リーグで3連覇中。「まずは大学サッカーでいい成績を残す。その先にプロでの活躍がある」。さらなる高みに向け、松本は静かに闘志を燃やし、準備を進めていく。【小林忠】

◆松本雄真(まつもと・ゆうま)1999年(平11)11月14日生まれ、千葉県柏市出身。柏ラッセル(千葉)-郡山ラッセル(福島)-尚志高(福島)。高校2、3年時は主力で全国高校選手権出場。18年に新潟医療福祉大学に入学。健康科学部、健康スポーツ学科3年。176センチ、65キロ。利き足は右足。