ヴィッセル神戸の元日本代表FW田中順也(32)が6日、オンラインで取材対応を行い、自身が経営するアパレルブランド「CEUEU(セウエウ)」で販売するマスクの収益を、神戸市の「こうべ医療者応援ファンド」に寄付することを表明した。新型コロナウイルスの問題で、現場の最前線に立つ医療従事者を応援するのが目的。

マスクは3枚セットで販売価格は2000円(税別)。アジャスター付きの布製で、およそ50回の洗濯でも制菌加工の効果は持続されるという。色はピンク、ライトブルーがあり、今後は他の色も販売する予定。

この日から同ブランドの公式ホームページで販売を開始し、神戸市にある一部セレクトショップなどでも購入可能という。売り上げから諸経費を差し引いた全額を寄付する。同ブランドは19年8月に立ち上げていた。

田中は「僕の近くにも医療従事者がいて、すごく大変な状況だった。最前線で闘ってくれているので、何としてもエールを送りたかった。責任を持って(みなさんの思いを)届けたい。たくさんの人々に協力してほしい」と説明した。

新型コロナウイルスについては、神戸の同僚DF酒井高徳(29)が3月に、Jリーグ選手では初めての感染が確認されるなど、身近な問題となっていた。

「(酒井の感染を)聞いた時は驚いた。彼は意識の高い選手で、たくさん外出するわけでもない。今は回復して退院できてほっとしている。ただ(本人は)病院の生活が、ひじょうに大変だと言っていた。感染すると家族にも会えない。その期間がつらいと。自分も家にいようと、さらに意識を変えました」

現在もチームの活動は休止中で、仲間とはオンラインでミーティングやフィジカル練習を定期的に行っている。まだ先が見えない公式戦再開に向けては、「目標であるACLとJリーグの優勝は、達成できなくなったわけではない」と意識を高めている。

田中は柏レイソルから17年に神戸に移籍し、今季が4年目。19年は23試合6得点の成績を収め、天皇杯優勝にも貢献していた。【横田和幸】