北海道コンサドーレ札幌が施設の抗菌化を徹底する。12日、札幌・宮の沢のクラブハウス内の壁紙に抗菌作用のある液体の吹き付け、温風によって殺菌する装置を設置をした。前日11日からグラウンドのみでの自主トレを再開したが、クラブハウス内は「3密」を避けるため立ち入り禁止。新型コロナウイルス対策を万全にし、6月上旬からと構想するチーム全体練習再開へ、準備を着々と進めている。

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札幌がさらなる新型コロナウイルス感染拡大防止策を講じた。スポンサーでもあるリフォーム会社、職人工房(札幌市)の協力を得て、クラブハウス内の抗菌化を図った。酸化チタンが主成分の液体で壁紙をコーティング。蛍光灯などの光に当たると生じる活性酸素が菌などを分解して除去するという光触媒施工が行われた。オンライン取材を受けた三上大勝GM(48)は「選手、スタッフが安心できる環境を提供できないかと考えた」と話す。

さらに万全を期す。約20万円の殺菌装置も取り付けた。温風と紫外線を照射するエアータオルで、服などに付着している菌やウイルスにも効果があるという。出入り口に設置済みの消毒液に加えて、施設内へのウイルスの持ち込みを徹底的に防ぐ狙いだ。

5月1日から自宅待機を指示していたチームは、前日11日からグラウンドのみを開放し、自主トレを再開した。ただ、トレーニング器具のあるクラブハウス内は立ち入り禁止。そのため選手は練習着も自前で、駐車場からグラウンドに直行。ランニングなどを終えた後も、シャワーも浴びずに帰宅している。

「来週(18日)からクラブハウス内を利用した自主トレで選手を迎え入れたい」と同GM。その後は1組約6人ごとのグループにコーチ1人が付く分散練習を経て、6月上旬からの全体練習再開を描いている。「4段階くらいに分け、状況を鑑みながら準備していきたいと考えている」と、1歩ずつ前へ進んでいく。【保坂果那】

○…札幌の三上GMが11日のJリーグ臨時実行委員会を受け、リーグ再開に向けたクラブとしての見解を示した。北海道は特定警戒都道府県で、再開時に解除が遅れている場合はホーム戦ができない見込み。「クラブとしては、始まりから1カ月くらい全てアウェーでもいいというスタンス」。心配される移動のリスクも「飛行機を使わなくても(会場へ)行けるところ(道外)に拠点を置くことで、リーグが再開できるのであれば」と、リーグ全体の試合消化に協力する考えだ。