ガンバ大阪FW宇佐美貴史(28)に待望の今季第1号が生まれた。初めてホームに観客を入れたG大阪は、2-1で大分に逆転勝ち。

前半にPKで同点弾を挙げた宇佐美は、後半にはFWアデミウソンの決勝点をお膳立て。開幕5戦目で目覚めたエースが、全得点に絡んで2連勝を飾った。

   ◇   ◇   ◇

今季待望の初ゴールで宇佐美が完全復調した。前半37分だった。MF小野瀬が獲得したPKに対し、エースは2トップを組むアデミウソンに自身が蹴ることを主張した。

「自分は1つ生まれないと流れができないタイプなので、頼みました」。右足で狙い通りに右スミへ。開幕5戦目で、昨年12月7日浦和レッズ戦以来、J1通算53点目で覚醒した。

後半3分には高い位置で相手ボールを奪い、アデミウソンの勝ち越し点をお膳立てした。「PKを譲ってくれたアデミウソンに、アシストできてよかった」と胸を張った。

自身のゴール後、別人のようにゴール前へ顔を出し、危険な男に変身。最近は中盤まで下がってゲームを組み立てる仕事を優先させていた。宮本監督も「いつか点を取れると思っていたが、ようやくその場面が来た。彼自身、チームにも大きい」と喜んだ。

3試合連続でベンチスタートとなり、今季初めて出番がなかったMF遠藤はかつて「調子が出ない選手がPKを蹴り、自信を取り戻すことが大事」と言っていた。宇佐美は「2トップでもっと得点場面をつくっていけるはず」。今季初めてホームに4395人の観客を迎え、サポーターの拍手は途絶えることがなかった。その期待にエースは結果で応えた。【横田和幸】