Jリーグは26日、名古屋グランパスの選手、スタッフから同日までに3人の新型コロナウイルス感染者が出たことから、この日午後6時からエディオンスタジアム広島で予定していたJ1第7節サンフレッチェ広島対名古屋グランパス戦を中止すると発表した。26日午前中にはJリーグの村井満チェアマン、名古屋の小西工己社長らが出席して会見を行い、経緯を説明。主な一問一答は以下の通り。

-濃厚接触者がどの程度の範囲に広がるのか、また経過観察期間が長期にわたり今後が不透明になることの受け止め

村井チェアマン 濃厚接触の扱いについては、保健所の指導に従うという大原則を維持していく。保健所の数も多く、感染状況も異なるので、扱いに多少の差異があることも認識しているが、行政の指示に従うことを考えている。少なくとも選手関係者はガイドラインにもとづき行動しているので、迅速に行動履歴が提出できると思います。宮原選手もなるべく濃厚接触をしない日常生活、トレーニングを実施していたので特定されることはなかった。追加の2人がどんな判定が出るか分からないが、なるべくクラブの活動に大きな影響を与えないように、濃厚接触の定義に基づいて行動していくことを考えている。

-8月1日の次節に向けて活動していくと言ったが、今後のリーグ戦への影響はどうなるのか

村井チェアマン いくつか今回の件を受けて、ガイドラインの修正なり判断をもう少し丁寧に細かくつめていく必要性を認識している。ベースは2週間に1度の公式検査の運用だが、チーム内に陽性者が出た場合、影響を考慮して、名古屋においては当面の間、1カ月かどのように刻むかは専門家の意見を聞くが、週1での検査を一定期間行う可能性もある。

-チームスタッフの名前は公表しないのか。同一クラブから複数人の陽性反応者が出た原因についてはどう認識しているのか

小西社長 トップチームスタッフの中には監督も含まれるが監督ではない。それ以上の詳細は個人の特定あるいはプライバシーにかかわるのでご容赦いただきたい。

-同一クラブから複数人の陽性反応者が出た原因についてはどう認識しているのか

小西社長 複数名出ていることは、保健所、市当局のご指導に従いながら厳正に対応しているが、今のところそれぞれのつながりが確認されていないので、まずは今日の2人の濃厚接触者の特定に協力し、もしつながりがあればそれを絶つための対策となる。まずは全力で保健所とのコミュニケーションをしたい。

-再開前の6月に2選手の陽性が判明し、対策を徹底してきたと思うが、具体的にどんな対策をしてきたのか

小西社長 日常生活におけるマスク着用、手洗い、消毒など基本は徹底している。不要不急の外出、外食は避ける、ゲストを家に招かないなど。クラブハウスでは毎朝の検温の実施、ロッカールームをあけるなど対策をしている。最低週1回は感染対策についてみんなで集まってミーティングで注意喚起をしている。場合によってはもっと定期的に行っている。陽性判定が出た2人も、外出は必要最小限に留めており、感染リスクはどこにも潜んでいると実感している次第。これからも感染予防対策の強化をしながらご迷惑かけないよう、Jリーグの掲げている試合をやりきることを目指したい。

-延期した試合の中止という判断もあるのか

村井チェアマン 代替日程は当該クラブ同士でスタジアム稼働状況や空きの日程を協議していく。週明け以降、具体的なスタジアムの調整に入っていくが、今のところは数日、試合開催候補日が見つかると認識しているので、中止という判断には至らないと認識している。

-次節の8月1日の名古屋-柏戦(豊田ス)を無観客に変更する可能性は。その判断はいつまでにするのか

村井チェアマン いわゆる無観客の状態を想定しているものではありません。Jリーグとして8月1日から8月10日までは従前通りの超厳戒態勢で運用継続を決めている。8月1日は既に決めている通りの有観客の超厳戒態勢での試合運営になると認識しています。政府は8月いっぱい、この状態を続けて欲しいと要請しているので、明日の会議を受ける形で、政府方針に従うのが基本路線と考えている。

小西社長 豊田スタジアムは(プロトコルでの観客人数の上限が)5000人の方が適用されるが、5000人近いお客様を安全安心にお迎えできるよう最善を尽くしたい。明日、再度PCR検査を全員にやり、31日の定期検査の前にも複数回PCR検査をして、安全を確認した上で、全力で8月1日の試合に臨みたい。