4校には磨き上げた「柱」がある。第99回全国高校サッカー選手権は9日に、埼玉スタジアムで準決勝を迎える。第1試合は「守」の山梨学院と「育」の帝京長岡(新潟)。第2試合では「壁」の矢板中央(栃木)と「投」の青森山田が激突。新型コロナウイルスの影響で、首都圏の1都3県へ緊急事態宣言が再発令された中、見えない敵に打ち勝ち、頂点へ向けて目の前の相手を打ち負かす。

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青森山田には「投」がある。チームは今大会3試合で10得点。その半分の5得点はDF内田陽介(3年)が左右両サイドから繰り出すロングスローが起点になった。中学1年時から武器にすると、体操で培った柔軟性、入浴後に肩周り中心のストレッチを欠かさないなど球質、スピード、飛距離と絶妙なバランスの必殺技に磨き上げた。

3回戦で内田の“神の手”アシストからヘディング弾を決めたDF藤原優大主将(3年)は「後ろにそらすことで、そのボールにまた後ろから来た選手が勢いよく飛び込み、触ってゴールというのがロングスローの得点パターン。まずは後ろにそらすことを意識しています」と共通認識を説明する。

矢板中央とは18年度の準々決勝で対戦し2-1で勝利。昨夏の練習試合では大勝したという。黒田剛監督(50)は「すごく仲のいいチームなので、お互いにリスペクトしながらいいゲームをしたい」。帝京長岡以外は09年度4強と同じ顔ぶれで当時は準優勝。「いろんな意味合いというか巡り合わせを感じます。あのときは決勝で負けたので、矢板中央を破り決勝に進みたいです」。東の横綱がライバル対決を制し、2大会ぶり日本一へ加速する。【山田愛斗】

「壁」の矢板中央、CB隙なし185センチ超コンビ

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