J1ベガルタ仙台は28日、宮崎・西都キャンプ4日目の練習を午前のみ2時間実施した。前日の9種に続き、13種のサーキットトレーニングを2セット行う「鬼メニュー」。選手たちの悲鳴とは裏腹に手倉森誠監督(53)は充実の様子で「古くから活動しているぐらい4日目とは思えないチーム。手応え十分です」。既存・新戦力が順調に融合している。

短期間でのチーム成長について「去年からいる選手たちの危機感と新しく加わった人たちの意欲がそうさせていると思います」。DFシマオ・マテやMFクエンカが一部別メニュー調整も、アクセルとブレーキを踏む場面を選手とスタッフが綿密に連携。昨季続出した長期離脱者防止へ「練習を1回でも回避し、さらにいい状態になるなら、そうしようとチーム内で話しています」とリスク管理を徹底する。

1次キャンプ地、西都では「戦う強靱(きょうじん)な体づくり」がテーマ。そこでは3つの山があると指揮官は説明し、<1>強度が上がるトレーニングを乗り越える<2>フィジカルがパワー系に変わり、サッカーが対人系になる<3>トレーニングゲーム-。「1つ目の山を越え、予定通り来られて、選手たちは次の山を恐れてると思います」と語る。

チームには前向きな雰囲気が漂う。貢献している選手に「アピ(DFアピアタウィア)かな」とルーキーの名を挙げ、「不得意な体幹トレーニングで弱みを見せつつも挑んでいるし、アピ以外にもいるが、その姿勢がこの雰囲気をつくり上げている。アピはいい色を出しています」。明るい指揮官の下で、明るい未来を築いていく。【山田愛斗】