8年ぶりに復帰したセレッソ大阪のブラジル人、レビークルピ監督(67)が初陣を飾った。

今季初の練習試合を同じJ1の徳島ヴォルティスと行い、FW豊川雄太(26)とMF清武弘嗣(31)の連続得点で逃げ切り勝ちを収めた。2人ともヘディングシュートだった。

試合後、取材に応じた指揮官は「C大阪は質の高い選手がそろっているので、ベスト布陣やメンバーを判断するのは早い。新加入でまだ来日していない選手(FWタガートやDFチアゴら)もいる。どのようなシステムがいいのかイメージはあるが、情報がもれるので現段階でコメントは控えたい」と静かに語った。

この日は終始、4-4-2システムで挑んだが、主に主力組が出場した1本目と2本目の途中までは、清武が豊川と2トップを組みながらも自由にトップ下に位置どりするなど、前線には自由があった。指揮官の従来の哲学通りに、得点は各選手の創造性を重視するスタイルは変わっていなかった。

さらに左右の両サイドバックは、昨季までのロティーナ前監督時代よりも高い位置を取った。横パスの回数も明らかに減り、急所を突く縦パスを意識した。豊川の先制点をアシストした右サイドバックのDF松田陸(29)は、素早い縦の仕掛けが目立った。「高い位置を気にしながらプレーした。調子はぼちぼち。新監督にアピールできたのはよかった」と喜んだ。

1得点1アシストの豊川は「結果として取れたことはよかった。(先制点は)陸からいい球(クロス)が来た。自分が前線に入ったら両サイドバックがいるので、しっかり中で準備することが大切」と振り返る。攻撃サッカーを貫くレビークルピ流が、顕著に表れた連係だった。

主力組で出場した移籍2年目のMF坂元達裕(24)は「今年はより中でプレーして、アシストだけではなくゴールを狙いたい。もっともっと狙う」と強気な姿勢を崩さない。世界的名将がかもしだす攻撃重視のスタイルに、選手が早くも呼応している。【横田和幸】

 

▼1本目のメンバー GKキム・ジンヒョン、DF松田陸、西尾、瀬古、丸橋、MF奥埜、藤田、坂元、高木、FW豊川、清武