山形県出身の鹿島アントラーズMF土居聖真(28)が湘南ベルマーレ戦の勝利から一夜明けた11日、オンラインで取材に応じ、震災から10年を経た東北に思いを寄せて、「皆さんに頑張ろうと思える希望になれれば」と勇気づけるプレーを誓った。

11年3月11日、プロの世界に足を踏み入れたばかりの土居はクラブの寮にいた。ニュースで鹿嶋市内だけでなく、東北の大きな被害を知った。クラブの先輩で岩手県出身の小笠原満男氏が東北に縁のある選手を集め「東北人魂」を立ち上げ、山形県出身の土居も参加。被災地に足を運び、サッカーを通じて交流を深めてきた。

土居は「今でも10年前に東北人魂の活動で、宮城、岩手に行ったときの被災地の建物、駅、海沿い…。言葉に表せない悲惨な状況がすぐ頭に浮かんできます」と振り返り「何年たっても、あの場所にいた人たちの心というのは癒やされないままだと思う」とおもんぱかった。その上で「僕個人としては、サッカーでしか勇気づけることができないので、僕らが少しでも皆さまの何かになれればなといつも考えている。1つでも、1人でも多くの人に響くようなプレー、勝利を目指して頑張っている。皆さんにも頑張ろうと思える希望になれればなと考えています」と決意を言葉にした。

10日の湘南戦では、積極的にドリブルで仕掛け先制点をアシスト。今季は「強気な攻め」が光っている。「湘南戦は3人、4人が絡むような攻撃もたくさんできましたし、相手に守備の部分で的を絞らせない攻撃は多々出来たんじゃないかと。そこの起点だったり、先頭に立つのが自分でなくちゃいけないなと思う」と攻撃の要としての役割を自負し、13日のサンフレッチェ広島戦を見据えた。