セレッソ大阪から日本代表に初招集されていたMF原川力(27)が、21日の湘南ベルマーレ戦(レモンS)で負傷し、22日からの同代表の活動を不参加となった。

25日の韓国との親善試合、30日のワールドカップ(W杯)アジア2次予選モンゴル戦でのA代表デビューは不可能となった。

C大阪の21日夜の発表では「けがのため」とだけ記されたが、原川のしぐさからは右大腿(だいたい)部裏側の筋肉、いわゆるハムストリングの損傷、肉離れの可能性が高い。サッカーや陸上選手に多くみられるけがで、レビークルピ監督も試合後の会見で「筋肉系のけが」と説明していた。

湘南戦は大雨を含んだピッチで行われ、下半身に相当な負担がかかっていたのは間違いない。その後半38分に接触プレーではなく、原川自らで倒れ、プレー続行不可能のサインを出した。

担架でピッチから運び出された後、自ら歩行していたことで軽傷の可能性もあるが、それでも復帰には数週間はかかるとみられる。

ハムストリングは完治させないと、復帰後も再発して全治数カ月の重傷へと悪化するケースがある。Jリーグでも毎年、相当数の選手がこの部位のけがで戦列を離脱する。同じC大阪の主将MF清武弘嗣(31)は、19年に全治8~10週間と診断で長期離脱した。

原川は18日の初招集決定を受けて「(16年リオデジャネイロ)オリンピック以来の代表の活動で緊張しますが、久しぶりに一緒にプレーできる選手もいると思うので楽しみ」とコメントを発表していただけに、落胆も大きいはずだが、まだまだ将来性のある選手だけに無理はできない。不参加の決断は当然だった。

サガン鳥栖からC大阪に移籍した今季、原川は開幕から6試合連続フルタイム出場し、この日が7試合目の先発だった。3列目から試合を組み立て、体幹が強いことで相手の球を奪い取り、保持すれば失わない。FK、CKの正確性、ミドルシュートのうまさは定評があり、既に今季1得点をマーク。開幕4勝1分け2敗の4位で上位争いにつける立役者になっていた。【横田和幸】