コンサドーレ札幌は清水エスパルスを2-0で退け、今季初の完封勝利を挙げた。後半6分にFWアンデルソン・ロペス(27)が今季12得点目を決めて先制。同10分にはMF金子拓郎(23)が開幕戦以来となる今季3号で追加点を奪った。守備では無失点。攻守でかみ合った勝ち点3となった。

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札幌が清水をシャットアウトした。90分間主導権を握り、攻めて守って、手にした白星。今季14戦目で初めての無失点での勝利。緊急事態宣言下でアウェー席は設けられていない。試合が終わると、赤黒だけのスタンドの3334人の歓喜の拍手にイレブンが応えた。満足な内容と結果にペトロビッチ監督(63)は「試合をコントロールできていた」と振り返った。

守備を突破した。相手は自陣に引き、守備を固めるスタイル。この日はいつもの4バックから3バックに変更するなど、札幌対策を講じられた。前半はボールを動かしながらチャンスをうかがう我慢の時間だったが、相手の運動量が下がり始める後半に仕掛けた。6分、DF福森のクロスを起点にエースが先制点を決めた。その4分後。左CKからのこぼれ球に金子が反応した。右斜め45度から左足を振り抜き、ゴールに突き刺した。リードを広げて勝利を決定づける2点目を追加した。

今季から背番号9の2年目にとっては、プレッシャーから解放される1発となった。金子は今季3点目。2得点を挙げた横浜FCとの開幕戦(5○1)以来のゴールだった。全試合先発に起用されていたが、無得点の試合が続き「毎試合『今日こそ取ってやるぞ』って気持ちで臨んでいた。少し焦りがあったけど、今日のゴールでほっとしている」。開幕戦の2発に似た位置からの得点は「あそこの場所は得意」と自信を持って狙った結果だった。

チームはリーグ最多12得点のロペスが攻撃をけん引。金子の3得点はチーム2位だ。「ロペスだけが点を取るのではなく、僕らが取らないと」と任せきりにするつもりはない。日本代表GK権田から奪ったゴールに、23歳は「誰が見ても素晴らしいキーパー。自分が得点を取れたのは自信になる。今後も継続して得点を取れる選手にならないといけない」。喜びは一瞬でしまい、札幌の主力としての覚悟を強めていた。【保坂果那】

〇…GK菅野が今季初の完封勝利に貢献した。前半19分に2連続シュートに体を張って止める好セーブで、流れを渡さず、守り切った。常に最後方から鼓舞し、頼れる守護神は「(いつ以来か)覚えていない」というヒーローインタビューに登場。「無失点勝利の試合がこんなに遅くなっちゃって申し訳ないです」とわびた。「僕は、今日は何も仕事をしていなくて、ほかの10人が集中力を保ってくれた。周りに感謝したい」と謙虚だった。