新潟医療福祉大サッカー部の“超絶ドリブラー”MFシマブク・カズヨシ(4年)が28日、J2アルビレックス新潟への22年シーズン新加入内定および特別指定選手認定の会見を行った。

同大2年時から背番号10を背負うサイドアタッカーはドリブル突破だけでなく、左サイドからのカットインシュートが武器。複数のJクラブの誘いを断り、新潟の地でプロ生活をスタートさせ、J1昇格への貢献、そして将来の日本代表入りを狙う。

アルビレックスの「KAZU」が誕生した。ユニホームネーム「KAZU」、背番号40のオレンジ色のユニホームに袖を通したシマブクは「やっぱりカッコイイ。アルビの一員になれたことがうれしい」と笑顔を見せた。大学1年時から新潟の練習に参加するアタッカーは、25日付で大学に籍を置きながらJリーグに出場できる特別指定選手に認定され、30日のホーム琉球戦からのベンチ入りが可能となった。「パス主体のサッカーが好きだし、サイドで自分の特長が生かせると思う。スタメンを勝ち取り、J1昇格に貢献したい」と意気込んだ。

武器は自ら命名の「ヌルヌルドリブル」。細かいタッチでサイドを切り裂いた後、テクニカルなシュートやスルーパスで決定機を作り出す。身長166センチと小柄だが、大学で鍛え上げた強靱(きょうじん)な肉体とアジリティーを利かせた動きで相手のマークをはがす。「プロのスピードに最初は慣れなかったが、練習参加を繰り返すことで感覚はつかめている」と言う。

根っからのサッカー小僧だ。アルゼンチン代表FWメッシやブラジル代表MFコウチーニョのプレーを動画で研究。コロナ禍で部活動が休止となった昨春は公園で1人、ドリブル練習を繰り返した。「とにかくサッカーが大好き。足元には常にボールが置いてある」。獲得を熱望した新潟・寺川能人強化部長(46)は「ゴール前で違いを生み出し、打開できる選手」と期待する。

スペイン語圏のペルーで2歳頃まで暮らしていたため、スペイン人のアルベルト監督(53)とは片言でコミュニケーションをとることができる。「多少の聞き取りはできる。監督の『ブラボー』を『ファンタスティック』に変えたい」。複数のJクラブのオファーを断り、新潟を選んだ。決め手の1つは浦和と新潟のレジェンド、FW田中達也(38)の存在があった。同じユニホームを着ることになり「小さい頃から憧れた選手。たくさんのことを吸収したい」と目を輝かせる。

4月に日本国籍を取得した。今季は新潟と大学チームの“二刀流”となるが「早くビッグスワンでプレーしたい。プロとしての自覚を持ち、将来は新潟から日本代表を狙いたい」と力強く宣言した。【小林忠】

◆シマブク・カズヨシ 1999年7月29日にペルーで生まれ、物心つく前に来日、埼玉で育つ。中1からJ1浦和のジュニアユース、ユースに所属し、17年(桶川西高3年)には全国クラブユース選手権で準優勝。同年、ナイキ・ネクストヒーロー・プロジェクト選抜でイタリア遠征参加。新潟医療福祉大進学後は18年北信越大学選抜、19年全日本大学選抜、20年関東B・北信越選抜。166センチ、63キロ。利き足は右。新潟での背番号は40。