名古屋グランパスがFW柿谷曜一朗(31)の一撃でFC東京を下し、決勝進出に王手をかけた。前半17分にMF稲垣がゴール前に送り込んだボールに素早く反応して先制弾を決めた。後半24分にはDF木本が2点目を決めて突き放し、1点を返された直後の終了間際にFWマテウスがとどめの3点目を決め、3-1で東京に勝利。浦和はホームでC大阪と1-1の引き分けに終わった。第2戦は10日に行われる。

   ◇   ◇   ◇

クラブ初の決勝進出に王手をかける一撃は柿谷が放った。前半17分。マテウスから稲垣へパスが供給される。ゴール前に送り込んだボールに反応したのが柿谷だった。右足で流し込む先制ゴール。勝利を引き込む大きな得点を生み出した。

「自分たちの主導権に持っていけた。ただ次の試合が大事。油断せず、しっかり準備して臨みたい」

今季から下部組織から育ったC大阪から名古屋に移籍した。C大阪時代、縁がなかったタイトルに初めてたどり着いたのが17年度のルヴァン杯(決勝戦 C大阪2○0川崎F)だった。名古屋としても、決勝進出すらないタイトル。それだけに柿谷も「絶対に(第2戦も)勝って決勝に進みたい」と力をこめた。

堅守を誇る名古屋は攻撃陣の強化を目指して今夏、現役ポーランド代表FWシュビルツォクを獲得した。C大阪から移籍の柿谷も、大きな補強選手の1人で着実に結果を残す。2点目をあげたのもC大阪から移籍のDF木だが、柿谷は「過去のことは関係ない。次(の試合)が大事」と振り返らない。

3-1勝利で初の決勝進出に王手をかけた。絶対的有利な状況を得て、初優勝へ突っ走っていく。【実藤健一】

◆柿谷曜一朗(かきたに・よういちろう)1990年(平2)1月3日、大阪市生まれ。4歳からC大阪の下部組織に所属し、06年にクラブ史上最年少16歳でプロ契約し1学年上の香川真司と同期入団。J2徳島、スイス1部バーゼルを経て、16年C大阪復帰。今季から名古屋へ。14年W杯日本代表。妻はタレントの丸高愛実。177センチ、68キロ。