J3では通算10度目となる藤枝と沼津の「静岡ダービー」は、藤枝に軍配が上がった。ホームで5-1の大勝。MF温井駿斗(24)とFW岩渕良太(31)が2得点ずつ決め、終了間際にDF川島将(のぶゆき、29)がダメ押し弾。今季最多タイの5得点を奪い、ホーム3連勝を飾った。沼津はMF染矢一樹(34)が2試合連続ゴールを決めるも、反撃は1点止まり。ダービーの通算成績は藤枝の3勝3分け4敗となった。

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藤枝が自慢の攻撃力を見せつけた。前半18分、特別指定選手で中京大4年のMF久保藤次郎(とうじろう、22)が右クロスを送り、温井が右足で均衡を破った。同27分にも2人のホットラインで追加点。同29分に失点するも、攻撃の手を緩めなかった。前半終了間際に追加点を挙げた岩渕は「失点して雰囲気が悪い中だったので、チームを勇気づけられる得点になったと思う」と振り返った。後半にもヘディングでチーム4点目。ロスタイムには川島が右足で押し込み、大勝劇を締めくくった。

ダービー史上最多5得点での勝利に須藤大輔監督(44)も満足げだった。試合後は「やりたいサッカーを具現化できた。選手の成長を感じた」とたたえた。指揮官は8月の就任時に「3点取られたら4点取るサッカーをやりたい」と宣言。指揮を執ったリーグ戦は6試合で計17得点。攻撃的なスタイルを構築し、ライバルを圧倒した。

順位は沼津と入れ替わり、11位に浮上。ダービーでの大勝でリーグ終盤戦に向けて弾みをつけた。次戦はアウェーで長野と対戦する。温井は「次もよりアグレッシブに戦って勝利したい」と、今季初の連勝を見据えた。【神谷亮磨】