コンサドーレ札幌は清水にアウェーで2-2で引き分けた。3試合連続のドローだった。0-1の前半23分、MF金子拓郎(24)が同点ゴールを決め、後半4分には12試合ぶり先発のMF深井一希(26)がCKから一時勝ち越しの今季2点目を奪った。後半38分に同点に追いつかれ4試合ぶり勝利を逃したが、2得点ともDF福森晃斗(28)がアシスト。今季5アシストはチーム最多となった。

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残留争い中で2日前に監督交代があった清水の勢いに最後は押され、試合は勝ち点を分け合った。ペトロビッチ監督(64)は「勝利を目指したが、難しい状況で引き分けは前向きに捉えていい」と話した。勝ちきれなかったが、福森のさえた左足が勝ち点1をもたらした。

チーム最多7得点目となる金子の同点弾も、12試合ぶりの先発に応えた深井の一時勝ち越し弾も、レフティーの一蹴りから生まれた。前半23分、福森からの前線へのクロスに金子が走った。「フクさんと目が合って絶対に出て来ると思った。普通の人なら出せない角度だったけど、フクさんなら来る」と金子。胸トラップから左足を振り抜き、ゴールに流し込んだ。在籍選手でチーム最多の7点目は“普通の人”を超えた福森の技術が導いた。

深井の今季2発目は練習どおり。「福森選手とは練習から僕目がけて狙ってくれと伝えている。いいボールが上がってきたのでうまく合わせられた」。左CKからのヘディングシュートは、タイミングがかみ合い、相手の日本代表GK権田が伸ばした手に触れることなく、ゴールに吸い込まれた。

前節3日湘南戦(1△1)で5年連続のJ1残留を決めた時も福森は「もっと早く決めて上を目指さないといけないチーム」と厳しかった。現在12位。中位にいる悔しさを持つ。今季のチーム内アシスト数はこの日で最多の5。残り3試合も得点に絡み、少しでも上位浮上へ押し上げる。【保坂果那】