3大会ぶりの日本一へマジック2が点灯した。青森山田は東山(京都)に2-1で逆転勝ちし、4大会連続の4強入りで「聖地・国立」にたどり着いた。

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J1東京加入内定でU-22日本代表のMF松木玖生(くりゅう、3年)が、前半ロスタイムにPKで同点弾。後半13分にFW渡辺星来(せら、3年)の全国選手権初ゴールで勝ち越した。4大会連続の決勝進出をかけ、東京・国立競技場で8日に行われる準決勝で高川学園(山口)と激突する。

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「セラロナ」が4強弾だ! 後半13分、青森山田の代名詞であるロングスローをMF藤森颯太(3年)がゴールライン際に投げ込む。FW名須川真光(まさき、3年)が相手と競り合い、こぼれ球を渡辺星がコンパクトに右足ボレー。「自分はセットプレーから決めることが多く、自信を持って飛び込んだら、ボールがうまく足に当たって入り、うれしかったです」。マンチェスターUのクリスティアノ・ロナウドばりに高々とジャンプし両手を振り下ろす「ロナウドポーズ」を等々力で見せつけた。

優勝したプレミアリーグEASTではチームトップの9ゴールを挙げた。ただ、11月の青森県大会決勝など今季後半戦はスタメン落ちも経験。選手権まで残り1カ月の時期に調子を上げ、優勝へ1敗もできない同リーグのラスト3試合で3戦連発を含む5ゴールを量産した。今大会は過去2戦不発で「絶対に決めるぞ」と東山戦に臨んだ。前半はシュート0本だったが、ハーフタイムに黒田剛監督(51)から「今日は絶対にお前に来る」と予言され、ワンチャンスを仕留めた。

生まれながらのスターだ。その名前は「星に願いを込めて、願ったものが来る」が由来。5人きょうだいの長男で、青森山田で選手権メンバー入りしたDFの次男来依(らい、2年)、長女来夢(らむ)さん、次女愛来(あら)さん、三男来輝(らき)さんと全員の名に「来」の1字がつく。

「セラスマイル」で仲間をなごませ、言動もユニークだ。今夏は「自分はパーマですごく暑くて。邪魔だな、いらないやと髪を切りました」と気合? の丸刈りで、全国高校総体制覇に貢献する2得点を挙げた。今冬は「青森は寒いし、ヘディングも痛いので、今は髪があった方が…」と髪を伸ばしている。

卒業後は地域リーグのFC刈谷入りが内定。その前に王座奪還という大仕事がある。「チームを勝たせる選手になりたい」。渡辺星らしく高校サッカーを笑顔で締める。【山田愛斗】

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