J2アルビレックス新潟の松橋力蔵監督(53)とDF堀米悠斗主将(27)が2日、キャンプ中の高知・春野でオンライン取材に応じ、残り3週間を切った開幕のアウェー・ベガルタ仙台戦(20日)に向けて決意を示した。新型コロナウイルス感染者が相次いだチームは1月19日午後から活動を一時停止したが、同月29日午後にトレーニングを再開させた。開幕まで準備期間は長くはないが新指揮官と選手らは「今やるべきこと」に集中し、結束を高めていく。

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想定外のアクシデントもチーム力底上げのチャンスに変える。活動再開5日目。午後の練習前、松橋監督は「(隔離期間の)10日間の遅れを取り戻すのではなく、与えられた時間でコンディションを整えることと戦術を深めることにチャレンジしたい」とキッパリ。堀米主将も同様に「この状況をポジティブにとらえ、開幕に向けていい準備を進めたい」と言い切った。

チームは1月17日~28日までに選手15人ら計18人が新型コロナウイルスに感染。19日午後から活動を休止し全選手、スタッフ、関係者は1人ずつ隔離した個室で自室待機した。「目に見えない敵」の影響を受けたが、その期間はオンラインによる体幹トレーニングや、松橋監督が考える戦術動画を選手に提供するなど時間の有効活用に努めた。堀米は「監督の考えるサッカーが分かったし、選手間のコミュニケーションはオンラインで取り合えた。あとはピッチで共有していく」と言う。

大阪で予定していた8~12日までの2次キャンプは中止し、11日まで高知で調整を続ける。「思ったより体は動くが、キックの感覚や頭の回転はまだまだ。しっかり定位置を確保できるようにアピールしていきたい」と堀米。今後、練習試合が実施されるかは未定だが松橋監督は「全てプラン通りにはいかないが(練習試合を組むことを)視野に入れながら準備を進めたい」と話した。

20日の仙台との開幕戦まで3週間を切った。新指揮官は「今は攻撃面に重きを置いている。いい状態で開幕を迎えたい」と気合を入れた。

<新潟・高知キャンプ経過>

▼1月17日 1次キャンプのためチームは高知入り。選手1人が新型コロナウイルスの陽性判定を受ける(新潟に残り療養)

▼19日 新潟で療養中の選手7人が濃厚接触者の判定を受け、午後から活動を一時休止に。

▼20日 選手5人に陽性判定。全員が自室待機に。

▼21日 選手3人に陽性判定。この日までに選手ら50人が濃厚接触者の認定。

▼23日 選手5人ら計8人に陽性判定。

▼28日 選手1人に陽性判定。

▼29日 10日間の隔離期間を経た選手らが検査を受け、陰性判定者で午後からトレーニングを再開。

▼31日 キャンプ日程変更を発表。2月8日から予定の2次大阪キャンプを中止にし、2月11日まで高知でキャンプを張ることに。

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J1柏から期限付き移籍で加入のMFイッペイ・シノヅカ(26)は「再開してからハードなトレーニングが続いたので体はキツイ」と苦笑いも、「チームのコンセプトを理解し、練習から自分の特長を出したい」と話した。通常、キャンプ中は選手が部屋を行き来しコミュニケーションを深めるが感染予防のために現在はチームで自粛。それでも「問題なくとけ込めた。いい雰囲気で練習できている」と笑顔だった。