捲土(けんど)重来を期すシーズンが幕を開けた。13年ぶりにJ2に降格したベガルタ仙台は、アルビレックス新潟とのホーム開幕戦で0-0のスコアレスドロー。後半6分、今季新加入のMF遠藤康(33)が強烈な左足ボレーを放ち、ゴール枠内を捉えたが、GK正面で移籍後初ゴールとはならなかった。シュート数は4本で相手の13本を大きく下回ったが、勝ち点「1」をもぎ取った。次節の27日水戸戦で勝利をつかみ取る。

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1年でのJ1復帰を目指す仙台は、苦しみながらも勝ち点「1」を手にした。前半から苦しい展開。新潟の猛攻に防戦一方となるシーンも目立ったが、チーム一丸で守り、0-0の引き分けに持ち込んだ。昨シーズン終盤から指揮を執る原崎政人監督(47)は「開幕戦で難しいゲームになる予想の中でも、やはり自分たちのサッカーを出せなかった。もう少しやれるのかなと思うのが今の心境です」と振り返った。

宮城出身でJ1鹿島から新加入の遠藤が凱旋(がいせん)出場でみせた。0-0の後半6分。ペナルティーエリア後方のこぼれ球に反応。左足でボレーシュート。惜しくも相手GKの正面となり、先制ゴールは奪えなかったが、サポーターから大きな歓声が上がった。「(ゴール)枠内にいったんですけど…。ゴールを決められたらなと思っているので、もっともっとシュートの練習をしたいなと思います」と、唇をかみながらも前を向いた。

向上心を持ち続けて高みを目指す。キャンプでは「勝つためのサッカー」をテーマに取り組んできた。指揮官は「主導権を取るためにしっかりボールを握ったり、守備でも自分たちから仕掛けていく」という理想を描く。開幕戦ではピッチでそれを表現することはできなかった。「指導者や選手をやる限り、100点はないと思っている。ひとつできたらまたひとつ、どんどん求めていきたい」。シーズンはまだ始まったばかり。真価を発揮するのはこれからだ。

再びJ1の舞台へと返り咲くために、勝ち点「3」の重みはチーム全員が理解している。遠藤は「最終的に上(優勝)にいられるように、みんなで勝ち点3を取りたい」。1歩ずつ復活ロードを突き進んでいく。【佐藤究】