「みちのくダービー」を制したのはJ2ベガルタ仙台だった。いわてグルージャ盛岡を3-0で粉砕。東日本大震災から11年を迎えた翌日に臨んだ一戦で、今季初となる「ホーム1勝」をつかんだ。

J2スコア速報はコチラ>>

0-0で迎えた前半43分に、MF遠藤康(33)が左足で先制ゴール。FW中山仁斗(30)は後半に2得点の大活躍。今シーズンから新加入の2選手が、「3発快勝劇」の立役者となった。山形は1-1で甲府と引き分けた。

   ◇   ◇   ◇

仙台が待望の「ユアスタ1勝」だ! 3点リードのまま、試合終了を告げるホイッスルが鳴り響いた。今季ホーム3試合目でようやく手にした本拠地1勝。スタジアムに駆けつけた、サポーターは声を出しての応援ができない分、大きな拍手で選手を祝福した。原崎政人監督(47)は「大事なゲームだった。今週の頭から『この試合だけは絶対に落とせない』と選手らと言って、臨んだんですけど、選手がしっかり気持ちを出してくれたゲームになりました」。試合前日の11日は東日本大震災から11年を迎えた。翌日に行われる今節のホーム戦で負けるわけにはいかなかった。チーム一丸で90分間、勝利への執念を見せた。

「3発快勝劇」の口火を切ったのは、宮城県出身の遠藤だった。0-0の同点で迎えた前半43分。ペナルティーエリア手前でパスを受け、左足で強烈なシュートを放った。ボールはクロスバーをたたきながら、そのままネットに吸い込まれた。「ホームで勝てていなかったので、早く(サポーターに勝利を)届けたいなと思っていた。(震災については)風化させてはいけないですし、こうやって僕らがスタジアムでサッカーできるのも当たり前のことではない。その気持ちを忘れずにやっていきたい」と語った。

後半は中山の独壇場だ。同22分に追加点のゴールを奪うと、その3分後にまた見せた。ゴール手前でパスを受け、滑り込むGKの頭上を越えるループシュートでダメ押し。後半だけで2得点マークし、「チームの勝利に貢献できてすごくうれしい。毎試合ゴールしたい気持ちがあるので、次の試合でも頑張っていく」と次節アウェーでの山形戦(20日)を見据えた。快勝の勢いそのまま、敵地へと向かう。【佐藤究】

J2順位表はコチラ>>