経営再建中のJ1サガン鳥栖は23日、定時株主総会を開き、4期連続となる約2億2000万円の赤字を発表。債務超過は、昨年7月の約4億5000万円の増資で圧縮したが、約4億6000万円が残った。

福岡淳二郎社長らが、ルヴァン杯前の駅スタで記者会見した。コロナ禍、入場者数、グッズ販売の伸び悩みなどで4期連続赤字だ。だが、新規ユニホームスポンサー獲得などで、今期は黒字化の見込み。債務超過も2、3年後をめどに解消を目指すという。福岡社長は「今期は債務超過の解消に向けて、確実に黒字化を目指します。新しい取り組みの発表も予定しています」と前向きだった。

昨年4月の20年度決算では3期連続赤字と、約6億9000万円の債務超過となった。本来なら3期連続赤字や債務超過に陥ると、クラブライセンスは交付されずJ3以下へ降格となる。しかし、Jリーグがコロナ禍の影響により猶予期間を設けたことで、特例措置により救われていた。

近年は財政難から毎年高額年俸の主力を放出。特に今季も前期から約半分に圧縮された約12億の人件費で大型補強には頼れず、大卒ルーキー6人を含む大量20人が新たに加わった。クラブは昨年、Jリーグから「パワハラ認定」を受けた金明輝前監督の契約解除も行うなど問題続きだった。

クラブ存続危機、パワハラ騒動…。19年度決算では20億円超の巨額赤字を計上した。一昨年から2年連続で、Jリーグ唯一の財務是正措置が通達された脆弱(ぜいじゃく)な財務体質からの脱却が急務だ。