16日付でコーチから内部昇格したガンバ大阪の松田浩新監督(61)が19日、就任後初めてオンラインで取材に応じた。

成績不振で解任となった片野坂知宏前監督(51)からJ2自動降格圏の17位、残り10試合でバトンを受けた新監督は、20日のサンフレッチェ広島戦(Eスタ)が初陣。J1残留が最大の使命になる。

練習の指揮は、この日が3日目。4-4-2システムの守備戦術にたけた監督だが、選手にはまず、精神的なものを求めたという。「勝負にはこだわってほしいが、結果にはとらわれないでほしい。そこで責任を取るのは監督だけ」と、ピッチ上で全力プレーに集中するように呼びかけた。

「自分が持っているものをすべて伝えて、勝つ確率が上がる雰囲気とか、心持ちにしてあげれば、結果はついてくるかもしれない」という松田監督は、努めて冷静に「1試合に関して100%勝てる、100%負けるは、サッカーにはない。どれだけ強い思いで臨むかで、アウェー(広島戦)で勝ち点3は不可能ではない。戦術より大事な部分はある」と、精神面の重要性を説いた。

片野坂体制では、戦力になりきれなかったFWレアンドロ・ペレイラや、パトリックらのブラジル人選手についても再生の意欲を示した。

「今までもブラジル人には、これだけの任務はやってくれと進めてきたので、同じアプローチはしたい。やみくもに(守備で)全部追いかけ回すのは、ほぼほぼ不可能なこと」と、最低限の守備や任務を与え、あとは得点しやすい環境を整えていく。

最近6試合未勝利(2分け4敗)のG大阪は、ここ11試合で1勝という極度の不振が続く。02年のヴィッセル神戸監督時代、残留に導いた実績もある松田監督は、9日にG大阪のコーチに就任し、わずか1週間で監督に昇格した。

現状把握の時間も少なかったが、それでも「目標を達成するために、やれることは全部やる」と決意表明。現役時代に広島で先輩、後輩の関係だった片野坂前監督については「僕もついこの前、(J2長崎の監督を)解任されたばかり」とし、「短い間で、うまく力になれなかった。もしかして、逆に(途中で松田コーチ就任という形が)重圧をかけた状態になったとしたら、申し訳ない。複雑な気持ちだった。交代が決まってから、ようやく昔からの先輩後輩に戻れた感じがして、僕としては申し訳ないと言わせてもらった」と、素直な言葉で前監督の労をねぎらった。