俊輔の現役ラストゲームが終わった。今季限りで26年のプロ生活に幕を閉じる横浜FCの元日本代表MF中村俊輔(44)が、後半15分でピッチを退いた。キャプテンマークを巻いた俊輔は、リーグ戦最終節・ロアッソ熊本戦に先発出場。J1時代の昨年4月7日サンフレッチェ広島戦以来、564日ぶりのスタメンだった。3ー4ー2ー1の右のシャドーとして珍しく「FW」登録でピッチに立った。

得点には絡めなかったが、1ー1の前半37分には、ハーフウェーラインを過ぎた辺りでフリーキックのキッカーを務め、柔らかいクロスで桐光学園の後輩・小川の惜しいヘディングを演出した。華麗なプレーにとどまらず、泥臭くもプレーを続けた。ルーズボールに対しては、果敢にスライディング。今年6月に手術した右足首を気にする場面もあったが、快晴の熊本の地で走り切った。

横浜FCの登録18人の平均年齢は28・28歳。熊本の登録18人の平均年齢は25・56歳。メンバー入りした両チームの最年少は、横浜FCのFWマルセロ・ヒアンの20歳だった。希代のレフティーとして、数多くの感動を生み出してきた44歳のファンタジスタ。20歳も年の離れた選手たちと、最後の時を謳歌(おうか)した。