パリ五輪世代の逸材で、高校ナンバーワンストライカーとして注目を集める鹿児島・神村学園のFW福田師王(18)が、ドイツ1部のボルシアMGに加入することが27日、クラブの公式サイトから発表された。

来年1月から加入し、プロの一歩を踏み出す。クラブによると、当面はU-23のチームでプレーするという。クラブのジュニアトレーニングセンター長であるミルコ・サンドメラー氏は「彼は技術に優れ、機敏で発展性のあるストライカーで、大きな可能性を秘めている」と語っている。福田は「もうすぐ、このような伝統あるビッグクラブでプレーできることを大変光栄に思っています。ボルシアに移籍することを意識したのは、ここが自分にとって最高の成長の場だと思ったからです」とコメントした。ボルシアMGには日本代表DF板倉滉(25)が所属している。

福田を巡っては複数のJ強豪クラブが獲得に乗り出していた。バイエルン・ミュンヘンやボルシアMGなど、海外の複数クラブにも練習参加。その上で、熟考を重ねた結果、Jクラブを経由せず、欧州クラブの挑戦を決めた。

福田は1年生からチームの主力を担い、全国高校選手権に出場。昨年度も高校総体、選手権と全国舞台を踏んだ。ゴール前の1タッチプレー、高い打点のへディングシュート、ミドルシュートと得点パターンが豊富で、ポストプレーやドリブル、裏抜けの技術も高く、守備面でもハードワークが光る。Jのスカウトからは「大迫勇也のように、プロ1年目から活躍できる」と太鼓判を押されるほどの逸材だ。

今夏の高校総体は2回戦で敗退しているが、U-18プリンスリーグ九州大会では首位に立ち、冬の全国高校選手権への3年連続出場にも期待がかかる。過去には宮市亮(29=横浜F・マリノス)、DFチェイス・アンリ(18=シュツットガルト)が高校卒業後に欧州のクラブへと羽ばたいている。福田も選手権で強烈なインパクトを残し、欧州の環境で成長を重ね、パリ五輪、日本代表へと駆け上がる。

◆福田師王(ふくだ・しおう) 2004年(平16)4月8日、鹿児島県生まれ。小学1年からサッカーを始め、神村学園中を経て神村学園高に進学。1年から定位置をつかみ、全国高校選手権では2回戦出場。2年夏の高校総体では8強に進出し5得点で青森山田MF松木(現東京)とともに得点王。飛び級でU-19日本代表候補にも選出されている。178センチ、70キロ。