19年の得点王が「4度目の正直」で優勝を決める。首位の横浜F・マリノスはアウェーの神戸戦(ノエスタ)の勝利はもちろん、引き分けでも、ほぼ確実に、19年シーズン以来の優勝が確定する。先月8日のG大阪戦から優勝王手をかけた4戦目はアウェーの神戸。FW仲川輝人(30)は過去4戦3発と相性がいいだけに、有終の美を飾る得点を誓った。

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仲川が自らの1発でタイトルをチームにもたらす。引き分けでも、2位川崎Fが東京に12点差以上で勝利しなければ優勝が決まる。それでも、守ることは考えない。「攻撃的で美しいサッカーをすることが(勝利への)近道」と、攻撃の姿勢を貫くことを誓った。

アウェー神戸のノエスタでは力を発揮してきた。リーグ戦では18年、20年、21年と、過去4年間で3度、得点を奪った。今季はよりチーム内の競争が激化して途中出場も増えたが、常に準備はできている。「どんな形でも、点を取って今季を締めたい」。淡々とした中にも、自信をみなぎらせた。

優勝した19年シーズンの得点王。今季は6ゴールにとどまっているが、ストライカーの意地がある。最短で10月8日のG大阪戦でタイトル獲得が決まる状況から、同12日の磐田戦とチームは無得点で連敗。悔しさから「まだまだ甘い」と吐き捨てるように言ったが、2週間以上の中断期間に、チームは立ち直った。先月29日の前節浦和戦では4得点と息を吹き返した。あとは自身が得点を奪い、最後のおいしいところを持って行く決意だ。

神戸には直近で、8月18日のアジア・チャンピオンズリーグの決勝トーナメント1回戦(埼玉)で2-3と敗戦。公式戦4戦全敗だが、前回の19年優勝時に得点王&MVP&ベストイレブンに輝いた30歳に恐れるものはない。これまでの経験を土壇場でいかし、シャーレを横浜へ必ず持ち帰る。【岡崎悠利】

◆J1優勝争いの行方 3年ぶりの最終節決着。勝ち点65で首位の横浜は神戸と、同63で2位の川崎Fは東京と、ともに敵地で対戦する。横浜は勝てば無条件で優勝。引き分けて、川崎Fが勝利すると勝ち点66で並ばれるが、得失点差が現時点で11上回っており、横浜の優勝の可能性は高い。横浜が負け、川崎Fが勝った場合は川崎Fが勝ち点で上回り逆転優勝となる。