5度目の正直だ! 4大会連続、決勝で涙をのんだ聖和学園が、東北学院とのPK戦を6-5で制して優勝。6年ぶり5回目の全国選手権切符をつかんだ。今夏インターハイの立正大淞南(島根)戦で、3本連続でPKを止めたGK菅井一那(かずな、3年)が、この日も2本を止める“守護神”ぶりを発揮し、チームを勝利に導いた。東北学院はインターハイ県予選決勝敗退のリベンジを果たせず、35年ぶりの快挙を逃した。
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最後のキッカーが蹴ったボールはゴール右隅へ。そこには菅井がいた。両手でボールをはじいた瞬間、力強くガッツポーズ。「やってやったぞ。これが俺だ!」。雄たけびを上げ、仲間のもとへ一直線。4年間逃し続けた歓喜の瞬間をキャッチした守護神は、「3年間苦労してきた仲間と全国切符を取れてうれしかった。つぶされて痛かったですけど…(笑い)」。駆け寄ったイレブンに押しつぶされ、「優勝」の重みを身体でも受け止めた。
PKには絶対の自信があった。「僕は心理戦が得意。軸足の方向やボールの軌道、相手の表情も見て跳びました」。阻止した2本はどちらも自分が予測した通りの方向へ。小野喬主将(3年)は、「(菅井)一那が『絶対に止めてくれる』という信頼があった。不安はなかった」という全幅の信頼に見事に応えてみせた。延長前半6分には、相手10番のスライディングを足元でかわす場面もあった。「11人全員が聖和学園と考えたときに、キーパーだけ足元がないのもイヤ」。正確なフィードとPK戦の強さを武器に全国の舞台に乗り込む。
今夏のインターハイは16強。だが、3回戦の前橋育英戦は1本のシュートも打てずに敗れた。この日も得点こそ決まらなかったが、持ち味のドリブルから多くの決定機を演出。何度もゴールを目がけて突き進んだ。攻守ともに力をつけて臨む選手権へ小野は「どんなチームが相手でも自分たちのサッカーを。日本一を取りたい」と意気込み、菅井も「1つでも上のチームと戦えるよう練習に取り組む。宮城代表として良い成績を残して帰ってきたい」と気を引き締めた。宮城を制した11本の矢が「日本一」という的を目がけ、放たれる。【濱本神威】



