Jリーグのデータを独自の視点で分析して各賞を選出する恒例「ニッカン・フットボール・アウォーズ」を今年も開催! 20日に開幕するワールドカップ(W杯)カタール大会の日本代表に選出されたセルクル・ブリュージュFW上田綺世(24)は、鹿島アントラーズ在籍時にJ1リーグ戦18試合で10得点を挙げました。1試合平均0・56点で、今季J1の「1試合平均得点王」に輝いた男は、9日(日本時間10日)のカップ戦でも勝ち越しゴールを決めてチームの勝利に貢献。W杯も任せた!【構成=石川秀和】

上田を超えるペースでゴールを決めた選手はいなかった。6月まで鹿島でプレーし、リーグ戦18試合の出場で10得点。今季のJ1は258人がゴールを挙げたが、2桁得点一番乗りを果たした上田の1試合平均得点は0・56点で、得点王の清水FWチアゴ・サンタナの0・52点を抑えて1位だった。このペースのままJ1でプレーを続けていたのなら、最終的に断トツの18得点に達した計算だ。

抜群のシュート力でコンスタントに得点を積み重ねた。DFの背後にスペースがあれば、その死角からゴールに迫り、守りを固める相手には右足で強烈なミドルを放った。ペナルティーエリア(PA)外からリーグ最多タイの3得点。シーズン途中に海外へ移籍しながら、今季J1の「PA外得点王」にも輝いた。

3年連続で10ゴール以上を達成し、1試合平均得点は年々アップ。それでも「海外でも活躍できるクオリティーがないと(W杯で)活躍できない」と7月にベルギーへ渡った。開幕当初はゴールのない時期が続いたものの、徐々に味方との連係が向上し、最近6試合で5得点。代表では通算10試合無得点だが、W杯カタール大会に臨む日本代表に選出された。

「サッカーを始めた頃からの目標であったW杯に出場できることは本当に楽しみ。貪欲にプレーして、FWとしてゴールという結果で日本に勝利をもたらせるよう戦う」。過去のW杯では大会直前まで代表でノーゴールだったFWが一気に得点王まで駆け上がった例がある。上田にも日本の新世代のエースとして期待がかかる。

◆国際Aマッチ無得点からのW杯得点王 90年イタリア大会で同国代表FWスキラッチが記録。大会直前まで国際Aマッチ1試合無得点だったが、本大会の1次リーグ初戦オーストリア戦で途中出場から代表初ゴールを挙げると、その後も得点を積み重ね、計6ゴールで得点王を獲得した。94~97年にはJリーグの磐田でプレーし、リーグ戦通算56得点を挙げた。なお、今大会の上田は17日に国際親善試合カナダ戦があり、まずはそこで代表初得点が期待される。