新潟医療福祉大(北信越1)はMF坂岸寛大(3年)が1ゴール1アシストと大暴れし、4大会連続で初戦突破。八戸学院大(東北2、青森)を3-1で破り、初の全国大会8強超えへ好スタートを切った。

坂岸は前半32分に左クロスでFW田中翔太(3年)の先制点をアシスト。1-1の後半15分にはセットプレーからのシュートをプッシュし、勝ち越し点を奪った。11日の2回戦では8月の総理大臣杯3回戦(準々決勝)で1-2で惜敗した、びわこ成蹊スポーツ大(関西2、滋賀)と対戦する。

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左利きの3年生アタッカーが勝利を呼び込んだ。1-1の後半15分、坂岸は右CKのこぼれ球を拾ったMF松本天夢(2年)のボレーシュートに反応すると相手GKの目の前でコースを変え、ネットを揺らした。「セットプレーからチャンスが来ると思った。自分には今までになかった形」。坂岸の勝ち越しゴールで勢いづいたチームは終盤に相手オウンゴールで3-1と突き放し、4大会連続で初戦を突破した。

坂岸は推進力を生かしたドリブルとトリッキーなプレーで左サイドを支配。前半32分には鋭くエンドライン際をえぐり、田中の先制点をアシストした。「相手を抜いた瞬間に(田中が)いると思って感覚でクロスを上げた」。田中も「寛大が仕かけた瞬間に来ると思った。狙い通り」と2人はホットラインさく裂を振り返った。

横浜創英高では前線から左サイドバックにコンバートされたが、大学で再び攻撃的なポジションを任され、能力を開放する。逆サイドのMFオナイウ情滋(4年=J2仙台内定)が相手から警戒される中、佐熊裕和監督(59)から攻撃のキーマンに指名されていた。「うちは情滋君だけじゃないぞ、と。突破力、ハードワークといった自分の力を全国で示したい」。

8強入りを懸けた11日の2回戦は、びわこ成蹊スポーツ大戦。総理大臣杯で1-2と逆転負けを喫し、全国大会初4強を阻まれた相手とのリベンジマッチになる。その試合で先制点を決めている坂岸は「サイドで攻撃の起点を作りたい。同じ相手に2度は負けられない」と力を込めた。【小林忠】