全国高校サッカー選手権(28日開幕、東京・国立競技場ほか)で2連覇を狙う青森山田の攻守の要が、強豪大学に進学する。主将のDF多久島良紀が関東1部今季王者の明大に、背番号「10」を背負うエースFW小湊絆(つな、ともに3年)が同5位の法大に、それぞれ20日までに合格。大学経由でプロ入りを目指す。

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多久島は日本代表DF長友佑都(36=J1東京)ら多くのプロ選手を輩出している明大でレベルアップを図る。センターバック(CB)として「今の自分はまだプロで活躍する能力がないと感じています。明治大学はトップレベルの選手が毎年入ってくるので、そこでもまれながら個を強くしたいと思い、進学を決めました」。高校の常勝軍団から大学の常勝軍団に進むという王道を選択。再び厳しい環境に身を置き、自分磨きを続ける。

明大には青森山田でチームメートだったMF藤森颯太(1年)、DF内田陽介、GK韮沢廉(ともに2年)が在籍する。「1、2年生のときにお世話になったので、心強いですし、お互いに切磋琢磨(せっさたくま)してやっていければ」と力を込める。

青森山田ではエリートコースを歩んできた。多久島は1年時の全国選手権で唯一のルーキーとしてメンバー入り。1試合5分のみだったが、途中出場から選手権デビューを果たす。2年時は不動の左サイドバックとしてプレーも、昨年11月に右膝前十字靱帯(じんたい)を断裂して手術。選手権出場はかなわなかったが、ピッチ外からチームを支え、全国総体、プレミアリーグEASTを含めた3冠に貢献した。3年時は主将に就任。「1人1人が元気でパワーがある」という集団をまとめ上げ、選手権2連覇を置き土産に進学するつもりだ。

CBとして守備では対人プレーやヘディングの強さを特長とし、攻撃の起点になる縦パスやロングボールも持ち味にする。明大では「自分は海外を見据えてやっているので、もっと強みを伸ばし、ウイークポイントをなくしていければ」。大学を代表するCBへと成長し、プロの舞台に飛び込む。【山田愛斗】

◆多久島良紀(たくしま・よしき)2004年(平16)6月30日生まれ、埼玉県出身。大宮U15、青森山田を経て23年に明大進学。ポジションはセンターバック、サイドバック。背番号「5」。20年にU-16日本代表候補に選出。好きな選手はリバプールのオランダ代表DFファンダイク。家族は両親、兄、弟。179センチ、78キロ。血液型O。