J2藤枝MYFCが今季初実戦で善戦した。20日は静岡市内でJ2ヴァンフォーレ甲府と練習試合(45分×3本)を行い、3-3のドロー。昨年の天皇杯を制した格上に2点を追う状況から追いついた。

劣勢からはね返した。3本目の開始15秒、1本のロングパスに抜け出したFW矢村健(25)が右足ループを決めて1点差とした。新潟から加入した即戦力は「イメージ通りだった」。アシストは浦和から加わったDF工藤孝太(19)。新加入2人のホットラインでネットを揺らすと、3本目の40分には右サイドを突破したMF久保藤次郎(23)が強烈な右足ミドルで同点弾。昨季チーム2位の10得点を挙げた点取り屋も健在ぶりをアピールし、「新しい選手に自分の特徴を分かってもらう意味でもいいプレーだったと思う」とうなずいた。

今季もチームが目指すスタイルは「超攻撃的サッカー」。堅固な守備を構築する相手に苦戦する時間帯もあったが、攻めの姿勢を貫いた。須藤大輔監督(45)は「まだまだ課題は多い」としながらも、「こちらが要求したことを理解してやってくれた」と強調。始動から取り組んできたチーム戦術の浸透に一定の手応えを示した。

来週にもJクラブとの練習試合が控えており、今月29日からは鹿児島で9日間のキャンプを行う。指揮官は「勝ちにこだわり、内容にもこだわっていきたい。まだまだアップデートできる」とさらなる高みを見据えた。いわきとの開幕戦までは約1カ月。ハードな練習と実戦を通じてさらにチームの完成度を上げていく。【神谷亮磨】