日本フットボールリーグ(JFL)、クリアソン新宿の新体制発表会が22日、東京・新宿の東京モード学園で行われた。

昨年10月の国立競技場での鈴鹿ポイントゲッターズ戦で、JFL史上最多観客動員記録を更新した。2年連続での国立競技場での試合開催に向けて動いていることも発表した。

昨年は「新宿の日」と銘打ち、さまざまな地域団体を巻き込んだ国立開催だった。相手チームに所属していたキングカズこと三浦知良の「カズ効果」もあり、1万6218人を動員した。丸山和大代表は「新宿の力を示す1日になったのではないか」と誇った。

さらに「新宿エリアを中心に地域活動していても、それまではやっぱり試合会場が遠いので、クラブがあることは認識をしていても、サッカーの試合を見られる機会がなかったので、『サッカーやってるんだろうな』っていう距離感だった。国立競技場で1万6000人来ていただいて、ぼくらの感覚だと1万2000人ぐらいは顔が見えて、『この方たちのこの団体が来てるんだな』という新宿の地域から来てくださった方だったので、明らかに地域活動でもすごくやっぱ温度感が変わった。本当に地域での認知度とかですね、僕らのやることへの共感みたいなものが、少しずつですけど深まってきたのかなというのはあります」と手応えを示した。

成功体験を胸に、今年もチャレンジは続けるつもりだ。「ぜひ我々としては、関係各所と調整しながら国立(競技場)にチャレンジしたいなって思っております。その際には、新宿の方々と一緒に作りあげる1日ということで、お祭りのように楽しんでいただける機会を作りたいということで、今、鋭意調整しております」。

今年は対戦相手にかかわらず、大きな集客を目指す。「去年、間違いなくカズさんの影響はあった」とした一方で「先ほど申し上げた1万6000(人)のうちの1万2000(人)ぐらいは、地域の方々が、どちらかというと国立(競技場)っていうところに行ったことがないとか、やっぱり近場で見られるっていうところの気軽さみたいなところが、すごくフック(=きっかけ)としてあったので、カズさんがいなくなったときにどうなのかって話でいうと、結構、ぼくらは可能性がすごくあるなと思っているのは、前回の反響が地域で出ていて。いろんな方が行ってみたかったとか、例えばですけど、新宿って200近い町会とかがある中で、僕らが実際にタッチできたのは、その当時、9町会ぐらい。やっぱり町会の方々が前回の『新宿の日』で、国立を知ってもらった時に、『これ面白いじゃないか。もっともっといろんな町会巻き込んでやっていきたい』って言ってもらったときに、これはマーケットとしてはまだまだコミュニケーションを取れるところがあったり、本当に商店街さんもまだまだ僕らは本当に新宿の中で一部しかまだ接点持っていないので、活動したらした分だけいろんな方と接点を持てる。国立という舞台を本当に使える機会がもしチャレンジできたときには、そういう方をどんどん“触りに”行ってですね、選手たちもみんな、地域活動とかやりながら日々動いているので、もっと積極的に地域を回ってですね、共感してもらえながら数を増やしていきたい」と話した。

「2万人超えも視野に入るか?」と問われると、「そうですね、チャレンジしたいですね!」と力強く即答した。

丸山代表は「2027年に世界一に」という目標を掲げる。「2023年はJFLを優勝し、J3昇格を目指します」と宣言した。昨季は16チーム中15位だっただけに、大きなジャンプアップが必要になる。

多様性を持つ新宿という街で、地道に社会活動を展開してきた同チームらしく、この日の発表会には、新宿の吉住健一区長や東京商工会議所新宿支部の高野吉太郎会長らも出席。高野会長からは「早く世界一になって」とハッパを掛けられた。

新シーズンに向けて、練習時間を2時間繰り上げ午後5時スタート、平日練習を週3回から4回に変更するなどして強化を図る。一般企業で働きながらプレーする選手にとっては、大きな環境の変化で、実際に10人の選手が退団したという。

丸山代表は「どうしても会社の都合でチャレンジできないというのは、ぼくらも胸が痛いです」と残念がった。ただ「やっぱりそうなったときに何を優先するのかっていうときにサッカーでしっかり結果を出していくところは譲れないところだった。コミュニケーションをとって、必要な場合には会社にまで訪問させてもらって、なんとか時間を調整できないか? とかそういうことまでやりながら今の状態になっています」と説明した。

練習時間の前倒しで、栄養、休養の改善を図り、アスリートにとって根幹ともいえるフィジカル面の向上を見込んでいる。本気で上のカテゴリーを目指す上での決断だった。

JFL参入2年目。ピッチ内外で一回りも二回りも進化する23年としたい。

発表会では、今シーズンから新加入する赤井シャロッド裕貴(22)、鈴木翔登(30)、中山雄登(31)、佐野翼(28)、齊藤和樹(34)、石井圭太(27)の6人がお披露目された。【佐藤成】