J1新潟のMF秋山裕紀(22)がプロ5年目で迎える初のJ1舞台に向け、入念に準備を進めている。1月17日に始まった高知キャンプも終盤に突入し、チームはより実戦に近いトレーニングメニューをこなしている。長短のパスを駆使しながら攻撃を操るボランチは「うちと他チーム選手の質で差はないと思っている。パスサッカーがどれだけ通用するかチャレンジしたい」と心を躍らせる。

はつらつとした表情でボールを蹴り込む。ピッチの中央から正確なパスを味方につなぎ、受け手の特長を最大限に引き出す能力はピカイチ。今季はさらなるスケールアップへ、前線への飛び出しにも磨きを掛けている。「前を向く意識や初速で相手より速く動くことは意識している。監督が言う『走って、走って、走りまくる』を体現したい」。

高校時代から続ける「サッカーノート」には、その日に感じた課題や手応え、監督からの言葉を書き留めている。「停滞は後退。選手、人間として引き出しを増やしたい」と貪欲に成長を期す。

新潟で19年にプロデビュー。21年12月に期限付き移籍していたJ3鹿児島から復帰し、昨季20試合に出場した背番号6は「攻守の切り替えや、ゴールに向かうスピード感をリーグ戦が始まってからでなく、今から全員で意識して取り組む」と中心選手としての自覚をにじませた。【小林忠】